デンマーク最終日

留守中の置き土産として、デンマーク最終日の話。帰りの飛行機の中で書いたけど、今読むと、うわあ恥ずかしー。

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朝イチにアナセンに車でピックアップしてもらって、コペンまで2時間のドライブ。帰り道の途中にあるフュン島のオススメスポットを巡って、空港で降ろしてもらう予定です。相変わらず平らな国土に微かな隆起が続く大地、ちょっとした丘があるだけで「山のようなアップ&ダウン!」とお約束のギャグ、一面に続く緑の農地と青い空が綺麗。これぞまさに Spring time in Ftynen! と言うとアナセンが隣で歌ってくれます。うふふ。

途中見たのは、時間に忘れさられたような赤レンガの古城(1634って書いてあった!17世紀!)、白い教会と伝統的なスタイルの家が並ぶ集落、馬を飼ってる農家がいっぱい、毛足の長くて頭の大きいロバみたいな不思議な生物(牛なんですって!)、茶色い体に赤い顔と青緑に光る首を持ったキジみたいな鳥、まん丸い船の泊まる小さな港町、青空と吹雪の同居する不思議な天気、そしていつも隣でニパっと笑ってるアナセン!!毎回車から降りる度にまとわり付いてしまった。だって、等身大トトロが目の前で二パッてしてるんですよ!

オペラ歌手にならなかったら、ここでフルーツを作ってたんだ、だってここが好きだから、と言い出すアナセン。相変わらずかけ離れたことを言い出すトトロです。何故オペラシンガーを選んだの?って聞いたら、だって出来たし、音楽が好きだったしって。

楽しいフュン島のドライブも終わって、コペンのあるシュラン島に渡る橋に。ものすごい風が強くて、フュン島も充分風が強いんだけど、そういうレベルじゃなくて恐ろしい風で、橋の下を通るフェリーの舳先で砕けた波が甲板の上を完全に覆うのが何度も見えて、それをアナセンが「ファンタスティック!!」って言って喜んでて、ハンドルは風で何度もとられてるのにドライバーは余所見し放題で、全く危険なドライブだった(笑)。

時間がたっぷりあったので日本語も教えちゃった。こんな天気がポカポカで、農地の緑がモコモコしてて、犬や猫や子供(や私)が懐いてるのはスリスリで、あなたのお腹がふかふかって教えちゃった(←そんな偏った日本語ばかり教えないでくださいstarboardさん!)。アナセンめちゃ長い間笑ってた。反復語がツボに嵌ったらしい。

楽しいドライブもいよいよ空港の近くまで来ちゃって、最後の頃は離れたくないよーって肩にスリスリしてて、手の甲で(←運転中だから)頭なでなでしてもらってた。降りたらいっぱいスリスリして・・・欧米式にお別れしてきました。アナセン大好き。こんな素直な反応する人いないもん。

そこからデュッセルドルフに飛んでケルンで2泊してオペラを観る予定だったけど、心は既に何も要らなくなってたというか、そのまま家に帰りたい気分でした。何故か寂しくもなくて、満たされてて幸せだったから。貧乏旅行だから気分次第でフライト変更なんて出来ないので、結局ケルンに向かいましたけどね。そのお話はまたの機会に。