吃驚するほど平静な一日

静かな一日。報道の画面だけが慌しい。周囲はあまりにも日常。ネットもサクサク動く。いますぐ出来ることは何もない。

今日は市役所に電話が通じた。個別の避難者については答えられないが、避難所そのものは無事とのこと。とりあえず避難地の高台にまで水が押し寄せるような最悪の事態ではない。避難所である地元の小中学校の電話は「たいへん混雑しています」メッセージのまま。県外からの通話には制限が入っているのだろう。通話制限であれ本当に集中しているのであれ、今必要なのは被災地同士や救援関係の通信だろうから、安否確認は自粛する。

家はまず100%水没したろうし、一段落したらここに連れてきて生活させるべく、家の整理をする。ろくに進まないが、やることがあるのは有難い。

連絡は全くつかない。が、ヒントはある。実はつい10日ほど前に、近い親戚が重篤状態になったので、その訪問や緊急連絡用に必要だと言い出したので、携帯を買って送ったところだった。昨日の時点では比較的つながりやすく、第一波の直後、津波以後、夜間など何度かコールした。ホストの留守電センターらしい応答と、携帯本体の留守電機能らしい応答の2種類のパターンがあった。今日からは「現在電波の繋がらないところにいるか、電源が入っておりません」。水没したなら昨日からこのメッセージだろうから、きっと携帯を持って高台に避難したのだろうと思う。これが現在の唯一のポジティブメッセージだ。

今日はキャリアのショップに行って、昨日のメッセージが携帯本体の応答メッセージであることを確認した。避難地への民間車の立ち入りは止められているので、避難地に向けて出発するわけにも行かない。現地の活動の邪魔になるので、電話をかけまくるわけにもいかない。twitterのアカウントを慌てて開設して、該当地域の人々や似たような出身者との情報共有で、報道よりは落ち着いた状況であることを知って安心する。家に受け入れのための生活環境を整えながら、避難所が一段落して避難者の氏名が確認出来る日を待つ。