日本のオペラ公演の情報をどうやって得るか

ところで上の資料によると、2000年の時点で日本で上演回数がもっとも多いオペラ制作団体は、こんにゃく座だったそうです*1

日本のオペラ団体の上演舞台数

  1997年 1998年 1999年 2000年
藤原歌劇団 17 22 17 28
日本オペラ協会 4 4 2 4
二期会オペラ振興会 18 19 13 20
オペラシアターこんにゃく座 49 77 50 175
東京室内歌劇場 9 15 14 6
関西二期会 6 9 7 5

出典:オペラ団体協議会編『日本のオペラ年鑑』(1998、1999、2000)

石田・根本: 日本の劇場運営におけるオペラ制作の課題, 長岡技術科学大学研究報告, 24号(2002)
http://lib.nagaokaut.ac.jp/kiyou/data/study/k24/K24_11.pdf

私は今までこの団体の存在を知りませんでした。なんで今まで知らなかったんだろう。
http://www.konnyakuza.com/index.aspx


オペラに嵌ったばかりの頃、私は映画から入って、周囲にオペラ趣味者どころかコンサートに年数回行くレベルのクラシックファンすらいなかったので*2、なんにも知らず、びわ湖ホールや兵庫芸文でやっていることも知らず、もちろんアルカイックホールやもっと小さい会場でやっている公演はなおさら知らず、まず海外の公演にいきなり行って*3、次に東京文化会館の来日公演に行って、その後で新国立劇場の公演に行って、その後でやっと地元でやってる公演を知ったという順番だった。そして、上のような巡回興行の選択肢もあり得るというのは、つい昨日まで知らなかった。

おそらく、行くかどうかはともかくとして、知識としてはこういう経過を辿る人は多いんじゃなかろうか。特に地方の公演て、情報に行きあたるルートがないんですよね。制作団体の名前とか、ホールの名前とか、固有名詞を知らないと辿りつけない。一旦そういうところに出入りするようになると、同種の公演のチラシをもらうので、色々やってることが分かるのだけど。

私は日本のオペラって積極的に好きなので、特に小さい会場で聴ける親密なオペラは、ある意味グローバルスタンダードに高評価とされている制作団体の公演よりもよっぽど好みだったりするので、勿体ないなあと思う。雑誌も、ネットの話題も、来日公演、海外公演、新国止まりだし。まあそれが有名/無名の壁ってことですかね。

オペラ入門みたいなサイトでも、大体オペラ=来日公演なのですが、もうちょっと、チケット代なども含めた入門編として、国内制作のオペラとの出会い方があるといいなあと思ってます。こうやって自分が多少詳しくなってから、そういう公演に知人を連れて行くと、みんなまたオペラ行きたいって言うんですよ。だからポテンシャルすごくあるのにって思ってます。

とりあえずここに国内公演のレポを書き残すことで、この情報の偏りの是正に貢献出来ないかと思ってます。はてなダイアリのおかげで検索で上位ヒットするし。

*1:2010年現在だとどうなんだろう。新国が年間50〜60公演だから、まだ一番かな。

*2:自分がある程度詳しくなってから、実はあの人もこの人も・・・という発見はあったが、初心者のときに教えてもらえるような付き合いは無かった。

*3:この辺が無鉄砲というか、海外滞在のついでに行ったところまではありがちとしても、いきなりオペラ目当ての遠征計画を立てたのは本当に無鉄砲だった。無事空振りもなく満足して帰ってこれましたが。