文科省に要望書を提出しました

文化財部参事官に手渡しして来ました。

2012年9月7日
京都会館を大切にする会
岡崎公園と疏水を考える会
京都会館再整備をじっくり考える会
京都まちづくり市民会議
京都会館弁護団


文部科学大臣 平野 博文 様


京都会館第一ホール解体工事についての緊急要望書


拝啓 上記の件に関しまして早急な対処をしていただきたく、下記のとおりお願い申しあげます。

この度、ユネスコの諮問機関であり世界遺産の登録の審査やモニタリング(監視)活動を続けている国際記念物遺跡会議イコモス(ICOMOS,本部パリ)の「20世紀遺産に関する国際学術委員会」において、厳格で独立した審議による評価が行われた結果、シェリダン・バーグ委員長名で、門川大作京都市長に、添付のような「京都会館再整備基本設計に対する意見書」が提出され、現在京都市が9月10日より着工を予定している計画に対し「遺産危機警告」の発令を予定していることが明らかにされました。この意見書では、以下の3点が明記されております。

  • 1. 現在の京都会館を「遺されるべき文化遺産」と認定したこと。
  • 2. 京都市の予定している改修計画は、文化遺産の価値を破壊するものであると認定したこと。
  • 3. 改修計画に対し、遺産危機警告(Heritage Alert)を発令する予定であること。

この警告が発令されるのは非常に稀な事態で、制度の創設以来2件しか発令されておらず、京都会館が3件目になります。意見書及びイコモスのサイト(http://icomos-isc20c.org/id3.html)の説明によると、今後、京都市の計画に対し警告が発令された事実と今後の経過に関する情報が関連機関に周知・共有され、イコモスの出版物やウェブサイトで世界に発信され続けるとのことです。
ご承知の通り、本年11月には、ユネスコ世界遺産条約採択40周年記念事業が京都市で開催されます。同会合は、我が国において、今後より一層多くの世界遺産の登録を実現させるための絶好のアピールの機会になるはずです。
しかしながら、京都市は、この警告の意義を十分に理解しておらず、多くの市民、建築家、有識者、文化人の反対も無視し、かつ、解体工事差止めの住民訴訟も提起されているにもかかわらず、京都会館の解体工事にこの9月10日から着工しようとしております。
今回の遺産危機警告がこのまま発令されてしまうと、今後のユネスコ関連事業において京都市のみならず、日本国が世界遺産登録においても不利な取り扱いを受け、また、国際社会における日本国及び京都市の文化イメージに悪影響を及ぼすことが強く懸念されるところです。
貴庁におかれましては、本要望書の趣旨を十分にご理解いただくとともに,京都市長に対し、本警告書の持つ意味を十分に説明し、あわせて、京都会館第一ホールの解体を中止し、改修計画を見直す方向での協議・指導をしていただくよう、ご尽力頂きたく、お願い申し上げます。
敬具


  • 一、イコモス20世紀委員会 委員長 シェリダン・バーグ氏による意見書(日本語訳付)
  • 一、イコモス20世紀委員会のメンバーであり、ヘルシンキ都市計画局に所属するリィッタ・サラステ氏による意見書(日本語訳付)

以上


京都会館を大切にする会: 京都市上京区烏丸通今出川下る観三橘町562-6 建築環境研究所内
岡崎公園と疏水を考える会 :京都市左京区岡崎最勝寺町2
京都会館再整備をじっくり考える会 :京都市中京区壬生森町13-34
京都まちづくり市民会議
京都会館弁護団
本件に関する問合先: 京都会館再整備をじっくり考える会 西本裕美
090-3926-4329(西本) jikkuri.kyoto@gmail.com TEL/FAX: 075-203-6449

http://www.jca.apc.org/jikkuri/docs/120907_Monkasyo_Kyotokaikan.pdf