とうとう解体工事の準備段階へ突入

この日までに本当に色んな動きがあって、今もそれは進行中で、解説付きで紹介したいのですが、本日はとりあえず報道の貼り付けのみ。

10日から解体工事開始が予告されていたのですが、最初の1ヶ月間は残存部分の補強や内装工事が予定されており、この間は文化遺産としての価値に影響を与えずに中断が可能な期間です。我々は、この期間中も引き続き各所への働きかけを続けて行く予定です。

まずは京都会館ビフォー/アフターの写真の後に、報道記事をご覧下さい。言うまでもなく、上がビフォー、下がアフターです。
http://www.jca.apc.org/jikkuri/docs/120910_BeforAfter_KyotoKaikan.jpg

http://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2014872672.html
京都市京都会館の建て替え準備

京都市は老朽化を理由に建て替えを計画している京都会館の「第1ホール」について10日現地で解体工事の準備を始めました。
京都市左京区京都会館は、昭和を代表する建築家の前川國男氏の設計で昭和35年に建てられましたが京都市は、老朽化などを理由に、110億円をかけて建て替えや耐震性を高める改修工事を予定しています。
このうち全面建て替えを予定する「第1ホール」について京都市は10日、現地で解体工事の準備を始め、業者が安全のため建物を囲う資材などを運び込みました。
京都会館をめぐっては、ユネスコの諮問機関がつくる専門家の委員会が、「日本の近代建築の最も重要な作品の1つ」と評価した上で、建て替えで「美しさと調和が破壊される」として計画を見直すよう求めています。
10日京都会館の前には計画に反対している住民など30人ほどのグループが「世界も認める京都会館の価値を守ろう」などと書いた横断幕を掲げて見直しを訴え、加わった近くに住む男性は「最小限の費用で改修して受け継いでいくという話なのに、住民への説明が不十分だ」と話していました。
一方、京都市は、計画は建物の価値を継承するためのものだという見解をユネスコの諮問機関に伝えており「再整備は、今後の50年もホールとして使い続けるため必要で、新たな会館が引き続き愛されることを願っています」とコメントしています。

09月11日 14時55分

http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000001209110003
2012年09月11日 朝日新聞
京都会館「解体NO」住民ら声
−第1ホール 作業始まる−

 戦後モダニズム建築の代表とされる京都会館左京区)第1ホールの解体作業が10日、始まった。舞台拡張などのために二つのホールと会議棟を改築する計画で、2015年度の開館を目指す。周辺では、地元住民らが反対を訴えた。

 建築家の故・前川國男氏の設計で1960年完成。住民らは、文化遺産であることや、建て替えに伴って市が周辺の高さ規制を緩和したことなどに反発。約25人が会館前で「市民の会館を壊すな」と声を上げた。

 ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」の委員会は8月、「敬意を払われ守られるべき文化遺産だ」とする意見書を市に出している。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/120910/wlf12091011000006-n1.htm
昭和の遺産・京都会館の解体スタート ユネスコ諮問機関が見直し要請も
2012.9.10 10:51 産経ニュース

解体工事が始まった京都会館第1ホール。付近には工事に反対する市民団体の姿も見られた=10日午前、京都市左京区(鈴木俊輔撮影)

 昭和を代表する建築家、前川國男氏(1905〜86年)の設計で、老朽化などから建て替えが決まった京都会館第1ホール(京都市左京区)の解体工事が10日、始まった。京都府内最大級のコンサートホールとして市民に親しまれてきた同ホールに愛着を感じている市民も多く、反対の声が挙がる中での着工となった。

 京都会館は昭和35年開館。コンサートやイベントを多数開催するなど、50年以上にわたって市民に親しまれてきた。しかし、建物の狭さや天井の低さなどが指摘され、耐震強度にも問題があったことから、同会館を所有する京都市は、全面改修を決定。

 第1ホールを建て替え、第2ホールを改修する。総工費は約110億円で平成27年度中の開館を目指す。

 市では、新景観条例で定められた建物の高さ制限を緩和するため、都市計画を策定するなどして準備を進め、同会館は今年度から休館している。

 10日は、本格的な解体に向けてホールを囲う鉄板の塀の足場を組む作業を始め、10月から建物の解体に着手する予定。

 一方、同会館が前川氏の代表作とされていることや、新ホールが街の景観を損なうなどとして、計画に反対する動きも相次ぎ、この日も抗議活動が行われた。

 今年5月には市民団体が改修計画の差し止めを求めて住民監査請求を行ったほか、8月には地元住民らが工事の差し止めを求めて京都地裁に提訴。

 ユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議イコモス(本部・パリ)の「20世紀遺産に関する国際学術委員会」も計画見直しを求める意見書を同月、市に提出した。9月7日には、京都弁護士会が着工中止を求める会長声明を出した。

 これに対し、市の担当者は「反対の声があるのは承知しているが、計画に問題はないと考えており、粛々と工事を進める」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20120910-OYT8T01294.htm
京都会館」改修始まる 15年度オープン目指す
(2012年9月11日 読売新聞)

 左京区岡崎の文化施設京都会館」で10日、府内最大の第1ホール(約2000席)を建て替えるなどの大規模改修工事が始まった。2015年度中の改装オープンを目指す。

 京都会館は昭和建築界の巨匠・前川國男氏の設計で、1960年に開業。老朽化し、近年の舞台演出にも合わなくなったとして、京都市は舞台を広げて天井を高くするほか、音響設備の更新や耐震補強も行う。事業費は約120億円。

 市文化芸術企画課は「今後も公共ホールとして使い続けるためには改修が必要。建物価値を大切にして再整備し、市民に愛され続けることを願っている」としている。
(2012年9月11日 読売新聞)

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120910000116
半世紀の歴史に幕 京都会館第1ホール
2012年09月10日 京都新聞

解体工事が始まった京都会館。着工を知らせる立て看板も立てられた+(京都市左京区京都会館

 京都市が全面改修する左京区京都会館で10日、第1ホールの解体工事が始まった。地上6階地下2階の新ホールを新築する計画で、2015年8月の完成を目指す。

 この日は、業者が資材を搬入した。工事は来年3月までの予定で、第1ホールを鉄板や足場で覆った後、全体を解体する。

 戦後モダニズム建築を代表する建築家・故前川國男氏が設計した会館の文化的価値が損なわれるとして、再整備に反対する住民ら約30人がこの日、「オペラハウスはいらない」「景観条例を守れ」と会館前で声を上げた。

 新第1ホールは舞台屋根の高さを現在の14メートルから27メートルにする。座席数は2001席で、延べ床面積は現ホールの1・3倍となる。第2ホールと会議棟は現建物を生かしながら内部を改装する。

 京都会館は1960年に開設された。バリアフリー対応の遅れが目立ち、近隣府県の大規模ホールとの競争で公演が減っている。

【 2012年09月10日 23時47分 】