シュライアー指揮「天地創造」

ずっと前に購入して積聴してたDVDをはじめて視聴しました。うちのDVD視聴環境はまともでないので細かいニュアンスは分かってないと思いますが*1、とりあえずファーストインプレッションを残しておきます。

1992年収録
スイス、ルツェルンイエズス会教会
ペーター・シュライアー指揮
ルツェルン祝祭合唱団
スコットランド室内管弦楽団
エディト・マティス(S)
クリストフ・プレガルディエン(T)
ルネ・パーペ(Bs)


パーペ、第一声でいきなり貫禄充分だ。若造なのに。

テノールの人が、なんつーかスティーグ・アンデルセン系列だ*2。声質もそうだけど、声の伸ばし方の、あるニュアンスが共通してる。なんだろうこれ。ああでも、きっと、一緒にしたら怒られるな。全体の完成度とかは全く違うんだけど、ある点でとっても似てるの。

ソプラノの人は、私はなんか駄目だ。どうも人工的な印象を受けてしまう。楽しそうに歌ってんのに、なんでだろ。あと聴いててこれを喚起する度合いが大きい。

オケは、弦のドライブ感が素敵。晴れがましいこの曲にぴったり。あそこに身を置いたらさぞ気持ちよかろうと思ってしまう、そんな感じ。

ヤングパーペ特有の、深々とした、いかにもな美声。確かなパワー。深々としてるけど高いの。高音*3こんなに綺麗だったっけ。Rollen in schaumenden Wellenの音を転がすとこなんて、本当に綺麗*4

今はこういうのやらないよね。レパートリー的にやらないだけなのかな。声も変わってきてるし、いまパーペが歌ったらこういう風には歌わないような気もする。ある意味素直というか。

カメラが長々と、どアップで映してくれるからよく分かるけど、耳の前の筋肉をよく動かすよね、パーペは。あごを開くときに動くのとは違うとこが動いてる*5。こんなにここ派手に動かしてる人って、記憶にない。これは今も変わらないかな。今の動かし方が分かる映像はこの辺です。

また音楽と関係ない話ばかりしちゃうけど、歌ってるときの貫禄たっぷりで不敵な面構えと、歌ってないときの子供っぽい表情の対比が面白い。あと実は若いときは団子鼻がマシです。頭蓋骨って、実は成人してからも結構育つんですよ。特に男性は変化が目に見えて分かります*6


このディスクからYouTubeに映像が2点あがってます。
Rollen in schaumenden Wellen
Nun scheint in vollem Glanze
上述の高音の音転がしは、Rollen .... の02:24〜とか、その後に何度か出てきます。しかしこの2箇所、チョイスがまさにいいこと取りで「うp主とは美味い酒が飲めそうだ*7」という感じです。

総合的に見て、かなりオススメ出来る一枚だと思います。いえ、私がしのごの言うより見本映像見てください。是非。

*1:DVD観る時は音がNGで、音を優先すると映像は見れないのが我が家のAV環境です。

*2:なんだその系列ってのは。

*3:高音でいいのかな?この辺の音域。低音でないのは明らかだけど、中音域と高音域の境目が分からん。

*4:こういうシチュエーションでは、バックの女性コーラスがうっとりしてるとこをついついチェックしてしまいます。

*5:ちなみに、どうやったらここ動くのか確認してみました。下唇を引き込んだ状態を保ちながら息を思いっきり吸い込むと動くみたい。ただ吸い込むだけでは動かない。パーペが動かすタイミングは全然違うけど。

*6:しかしこのblogは何故いつも頭蓋骨の話をしているのか。きっとあの人のせいね。

*7:ニコニコ動画における「趣味が合うね」を伝えるお約束の台詞。