METマイスタージンガー2001 (1)

まだこれを見てなかったんかい、と突っ込まれそうですが、買っただけで見てなかったんですよ。じゃあ今まで何をやってたんだというと、主に音だけの素材で耳馴らししてました。近い将来ライブ見る機会があるならそっちを先にしたいという理由で、DVDは全部後回しにしてたんです。というわけで、はじめて通して見た記念ファーストインプレッションシリーズ、またの名を「観てる間のstarboardの頭の中垂れ流し」シリーズ行きます。

Wagner - Die Meistersinger von Nurnberg / Heppner, Mattila, Morris, Pape, Allen, Polenzani, Levine, Metropolitan Opera
2001収録、2005リリース

輸入版 国内盤
(日本語字幕)

序曲

そういえば、METのオペラをまともに見るのははじめてだ。レヴァイン氏登場。なんか笑ってるんですけど、この人。歌ってるし。指揮棒も歌ってるよ。楽しそう。釣られて序曲で入り込める効果発現しました。

はあ。綺麗だ。繊細な編み物のように綺麗だ。ワグナーは麻薬だなあ。このまま時が止まってしまえばいい。・・・・あ、ちょっと、トロンボーンが、現実に引き戻された。序曲終わった。後半の管が惜しかった。

一幕

教会にいるマッティラ・エヴァを見初める太った騎士様。いきなりパンパンのお腹・・・・もとい上半身全てがパンパンです。オペラでそれを言い出しちゃ駄目か。あれ?コーラスがなんかバラバラ?

マッティラがお母さんみたいだ。スカーフと眉の上の皺のせいだ。額の皺って、縦皺はまだいいんだけど横皺って残酷よねーと現実的なことを考えてしまいます。

いきなり大げさなことを言い始める騎士様。何故かテンション高い女2人。不思議な世界の人達だ。ディヴィットが表れて、マイスタージンガーの規則を教わるヴォルター*1。この辺で、ヘップナー・ヴォルターが何故主役を張る人なのかちょっと分かってきた。一緒に出てるんで比較して悪いんだけど、ポレンザーニ・ディヴィットと比べると、圧倒的に歌に表情がある。でもこれ単独で聴いても分からなくて、こういう風に比較相手が一緒に出てくれないと分からないのがstarboardクオリティです。そうしてる間に背景が続々と出来上がっていきます。しかしこの街の人は楽しそうだな。

来た来た。年寄りぶった若造パーペ・ポッグナーと、コメディの悪役みたいなアレン・ベックメッサーの登場です。アレンは剽軽な人だな。モリス・ザックスと親方達が続々登場。登場人物の多いオペラだなおい。ポッグナー親方のプロポーザル。パーペ節ですが、ちょっと弱い?*2いや、最近の芸風と比較しちゃってもの足りなく思っただけかな。モリス、存在感充分です。最近の記憶と比べると、声が若いし揺らいでない。でもやっぱり山小屋とかにいそうな声だ。ハンス・ザックスやるために生まれてきたような人だな。

ヴォルターの歌のテスト。ベックメッサーが駄目出ししまくってザックスがかばって、みんな出てきてグダグダに。相変らずこの街の人は楽しそうだ。ついでにみんな出てきてグダグダパターンはこの物語の定番の展開のようです。そして大写しになるレヴァイン。相変らず笑ってるよこの人。

そういえばワーグナー特有の歌が気になる現象は、映像付きだと気にならなかったな。ま、マイスタージンガーはまだマシだから。例のモティーフ使いが出てきて、いろいろ思い出させてくれるのは良い。でも気持ちが逸ってしまう効果もある。チラっと出されて、ついその続きを待ち構えちゃったり。

追記

これ書いた後でもう1回観たんですけど、やっぱこのときパーペは調子悪かった・・・・は言い過ぎかもしれないけど、決して良くは無かったと思う。2幕はともかく1幕はそう思った。

*1:どうでもいいが、うちのPCはヴォルターを変換しようとすると第一候補「ヴォル太」って出るんですが。どこでそんな変換覚えてきたんだお前。

*2:一人めちゃくちゃ際立ってるみたいな状態を想定し過ぎです。一般に言って弱いわけではない。