スカラ座ドン・カルロ テレビ放送レポ(2)

すっかりご無沙汰してしまいましたスカラ座ドン・カルロのテレビ放送分のレポです。1幕はこちらです。では今日も「観てる間のstarboardの脳内垂れ流し」行ってみます。

2幕1場

前奏・・・・もう入りっ放し。心臓がバクバクする。この音好き。

ちびエリザベッタ・ベール付。その後ろを巨体の男が!危ない!通報されます!ニール逃げてー!(そっちか!*1

ニール、弱音、いいよいいよ。いいから後ろ姿を見せて歩かないでね?歩くと上着の裾が一歩毎にヒラヒラして、お尻振ってるようにしか見えないから。衣装係はガードルでも付けてやれよ。

ストーカー・ロドリーゴ、ぴったりのタイミングで登場!いやゴメン(何故謝る?)、ガッティの音楽やっぱ引き込まれるわ。このシーンあんま好きでない場面なんだけど、それでも入り込めるのはこの音楽だからだもん。めっちゃ入ってたわ今。

2幕2場

合唱は実にいいです。フルラネットの王が額に手を当てて椅子に座っているところは美しいのだった。誰かさんだとギャグ入るのだが*2。どうでもいいが、ビデオだとアングルが次々と切り替わるので思わないけど、舞台観てると、このシーンの間ずっとこのポーズを保つのはしんどそうだったよ。

修道士の合唱も、また別の魅力があっていいなー。被せてくる重低音もいい*3

ちと時間を巻き戻して、幕が上がると、紗幕の手前に王だけがいて、1人だけ別世界にいるの。いや彼が紗幕の向こうを別世界だと感じているの。そこから一気に紗幕が上がって急に向こうの世界が色鮮やかになって、つまりここで現実に戻ったことを表しているんだけど、そして彼は立ち上がって、自分の役目を果たしに行く。ここの演出は良く出来てるなあ、そのときの色鮮やかさが、もうね。

やっぱりフランドルの使節団の合唱はいいなー。もうよくってよくって、ジタバタしちゃうくらい、いい。ここの音声だけ切り出して、ちゃんとしたオーディオで聴けるようにしなくちゃ。メモメモ。

「お前達は不実であった」躊躇と動揺。ここ、フルラネットの王はこうですね。パペフィリポは突っぱねるけどね。その後も全く弱気にならないし、確信犯的に悪人やってる人物像だ。たぶんこの人「嫌うんなら俺を嫌え」と思ってる。フルラネット・フィリポはもっと普通の人。

慈悲を乞う合唱の中で王が孤立する瞬間。フルラネットの王は本気でタジタジっとなるから、あ〜見ていられない〜!ってなる*4

「陛下、今こそ私の生きるときです。」カルロ最大の見せ場なのに。何かもっと込めて欲しい気がする。


まあ余計なことですが、史実だと、カール5世とカルロが剛胆派で野蛮で残忍な気質で、フィルポ2世ってのは冷静な常識人でいささか神経質というか、書類王と呼ばれて書斎に篭って現代的な決裁システムなんか作ってたりして、まあ他にも国を治めるうえで必要な実務を坦々とやってる、そういう性格なんですよね。この組合せは相性悪そう。間に入ったフィリポ2世の胃が心配だ。孫の方のカルロが不出来だからまだ救われたのであって、あれでカルロがまともだったら酷いことになったろうってランケのおっちゃんも言ってたよ。

なーんて思いながら2幕2場は鑑賞いたしました。(3)はこちらです。

*1:昨今洒落にならないギャグは自粛しましょう。

*2:ひどいファンだ。

*3:それはあなたのオーディオのセッティングのせいです。

*4:褒め文脈ですよ。そういう感情を喚起させるってのは、舞台としては。