エクサン・プロヴァンスの黄昏を見ながら

おそろしく安定したソツのない画面をハイビジョンで楽しみながら、あまりにもソツが無さ過ぎるので、段々あの全然ついていけてないのにやたら寄りたがるカメラが懐かしくなってきた。はっ!これがアバタもエクボって奴か。NHKで放送があるってことは、これ撮影はNHKなんだろうなー。

演奏はたいへんよろしい。

セットはブラウンシュバイク2回目なので、ワンパターンだなあと思ってしまった。ミニマル遠近手法も色遣いも一緒じゃんね。でもジークフリートの旅立ちのシーンでは、あの角度*1から見るヘップナーがプリちーと思ってしまった。ここだけは演出家よくやった!評価する!*2 でもありゃ前回の冒険から30年は経ってるね・・・・リアルだなあ。腹だけならアナセンも似たようなもんなんだが、動きが全く違う。いかにもくたびれたおっさん風に動くんだもんな。

ヘップナーは、なんだかどんどん顔が右に偏ってきているのが気になる。歌唱に変な癖が出てきてないだろうか。でもこのいかにも英米のカントリーサイドにいそうな全身の雰囲気が好きだ。歌唱も含めて朴訥としたジークフリートだ。あとは陽気さが欲しい。

ギービッヒ家のシーンになると、細いワーグナー歌手のみなさん勢揃い。

ミハイル・ペトレンコは、この間のMETボリスのアナウンスで名前を認識した人だ。あのボリスには、なんとかenkoが3人もいるんだよね。この人は面白い。キャラクターテノールみたいな歌唱と役作りだ。にこにこハーゲン。見張りの歌もその調子でやったら面白いと思ってたんだけど、そっちはそうでもなかった。でも最後に見張りをしないで寝ちゃうのは面白い。あとHD映えする。

ワルトラウテのアンネ・ソフィー・フォン・オッターは、美人は何年経っても美人だねえと思った。骨格が違うんだな。

ジークフリートがグンターを騙って岩屋に現れるとこでは、カタリーナ・ダライマンの訝し気な表情がアップになると「なんかあのお腹は見覚えがあるわ?」と思ってるように見えてしまう(笑)。ちなみにコメント欄で最近話題のこの部分の演出ですが、ジークフリートブリュンヒルデに手をかけそうになって(性的な意味で)、はっと我に返って宣誓するということになってました。

ところで日本語字幕で黄昏を見たのははじめてだと思うが、日本語だと分かりやすいけど予断が入りやすい気がする。翻訳の段階で解釈入るし。

さて続きは録画しておいて後で見よう。この後のにこにこハーゲンが楽しみだな。しかし変なことばっかり書いてるな。ただの日記なので気にしないで。

*1:舞台中央にベッドを置いて、二人が頭を客席の方に向けて寝ている。

*2:こんな観点で評価するのは私だけだと思うが。