Heise: King and Marshall

全くの一行知識だけど、13世紀のデンマークStig Andersen (Marsk Stig) という名の歴史上の人物がいて、まあ軍の責任者なんだけど、この人を描いたPeter Heise: Drot og Marsk (Eng. King and Marshall)というオペラもあったりして、しかもアナセンがレパートリーにしてたりするのでややこしい。でもStig Andersen役はバスなのでそのものではないようだ。Stig Andersen as Stig Andersen にならなくて残念?

このオペラが、話はどうしようもないんだけど*1、いろいろ喚起させてくれて大変よろしい。つーか完全にDanish Romanticism にハマっちゃってます最近。どうしちゃったんだ私。なんか適度に軽くて気持ちよくて、例のごとく能天気な方向にちょっと変で*2、あまりガーッと引っ張るようなところが無くて、家で聴くのにいいんですよね。こういう傾向の作品がいろいろあるので、また一枚聴く毎にアウトプットしていこうと思います。

あらすじは、王Erikと幼馴染の将軍Stigがいて、このErikって奴がこれまた放蕩者で誰彼構わず手を出す実にええ加減な奴で、Stigが大きな戦いにいってる間に彼の奥さんと懇ろになっちゃって、勝って帰ってきたStigがそのことを知ると一同Stigに同情して最終的にはErikは追い詰めてられ殺されちゃうという王殺し物語です。一応史実つーか伝説に基づいた話らしいです。

で、世に一枚だけあるKing and Marshallのディスクは、シェンヴァントさん指揮のデンマーク放送響で、王Erikはポール・エルミングなのだが、やっぱ飄々と能天気に歌ってます。大変よろしい。しかしこの誰も彼もが飄々と能天気路線は、もうこれはデンマーク色なのでしょう。こういう人物造形をするのもそういう曲を作るのもシンガーがそう歌うのも含めてデンマーク色なんだよ。もう私の中ではデンマークの男性はこういうキャラクターでFIXした*3デンマークってハムレットくらいしか知らないから、みんなが眉間に皺を寄せて"to be, or not to be" とやってるかと思いきや、やっぱりあれはイギリス人の考えた物語だったんだな。あ、あとアンデルセンか。あれもなんか寂しい話が多いよねえ。子供の頃の漠然としたイメージでそう思ってるだけで、よく知ったら違うのかもしれません。最近急速にデンマークのイメージが変わりつつあります。

このオペラに関しては殆ど情報がないのだが、たぶん英語で無いだけでデンマーク語で探せばいっぱいあるかもしれないのだが、その少ない情報の中からたいへん充実した記事をひとつ紹介します。6月のセンチメンタリズムにぴったりのオペラだそうです。

http://atthelighthouse.wordpress.com/2007/10/06/calendary-literature-june-peter-heise-king-and-marshall/
Calendary Music - June - Peter Heise: King and Marshal
At the Lighthouse, October 6, 2007

Drot og Marsk, opera
Composed by Peter Heise
Performed by Danish Radio Symphony Orchestra
with Poul Elming,
Ole Hedegaard,
Kurt Westi,
Christian Christiansen,
Eva Johansson,
Ronnie Johansen,
Bent Norup,
Aage Haugland,
Inga Nielsen
Conducted by Michael Schoenwandt, Jesper Grove Joergensen

*1:それを言い出したら大抵のオペラが・・・・

*2:これ重要。ただ綺麗なだけのものは好きでないのです。

*3:またそんな横暴な。偏見はいけないと思います!