続きを見た/トリイゾ@MET2001

そゆわけで、やっとあの強烈な印象を吐き出せたので、邂逅から実に半年後の全幕鑑賞となりました積読DVD鑑賞記です。

Tristan Und Isolde (2pc) (Sub Ac3 Dol Dts) [DVD] [Import] (2001)
Jane Eaglen, Ben Heppner, James Levine, The Metropolitan Opera Orchestra and Chorus

ですが・・・・落ち着いて、そのつもりで聴いて、しかも鮮明に見えちゃうと*1、やっぱあのときのあの感じは得られなかったんですよねえ。

鑑賞した日はかなり暑くて、普段と違う生活パターンの日で、慣れないところに外出してて、仕事に戻っても中途半端だから切り上げてDVD鑑賞する気になったという事情もあり、2幕からうつらうつら・・・・本当に夢うつつで聴いていました。まあ途中いろいろと思うことはあれど、さして重要なことじゃないので省略して、あっれぇー?と思いながら終わってしまって、そしたら、最後の「愛の死」だけがやたら頭の中でぐるぐるして、すっかり離れなくなっていました。観てる間はそれほどでもないと思わせておいて、やたら後を引くという、まさに delayed をそのまま体験する結果になりました。なんと!あのふざけたぬいぐるみは正しかったよ!なんてこったい!

このプロダクション自体は、割とずっと暗くて、舞台装置は全くシンプルで、背景に照明のパネルがあって、その手前に人物がいるおかげで顔が影になっててあまり細かい表情などは分からず、殆どシルエットみたいな状態がずっと続くのですが、それも眠気を誘いつつ夢うつつで、この何ともいえない、なんていうか、溶け合いそうな感じを作るのに作用したんですよねえ。初回の強烈な印象と相俟って、私にとっては良い方向に作用しました。はっきり言って寝てたのに、一瞬も寝なかったバイロイトの放送よりよほど鮮烈な印象を残しました。相変わらず感想が矛盾してますが。

ただこれ、家でDVD観てるからいいけど、劇場で観てるとどうなんでしょうね(笑)。舞台装置も、正直どこぞの金のない劇場ならセンス次第でよく頑張ったねって感じだけど、メトでこれやられてもなあ。船の甲板の板の一枚一枚とか結構リアルで手を抜いてない感じはするけど、でもなあ(笑)。やっぱ、そこはかとない金返せ感がするような。全て音楽代だと思えばいいのか。

*1:このプロダクション自体は後述するように鮮明な映像ではないのですが、それでもMETplayerで見るのとDVDで見るのは相当差があります。