The Royal Guest(3) 最初の一枚に、愛らしいスモールオペラを
半年以上放置したしまったThe Royal Guestの続きを書いてみたいと思います。(1) (2)はこちら。このディスクで書き残していたことって、オペラの録音を聴く習慣がない人の「最初の一枚」にいいのでは、ということでした。以下オススメの理由。
- 演奏時間が短い。ディスク一枚に収まる84分ギリギリ。
- 登場人物が少ない。主要人物は、ソプラノとテノールとバリトンの3人で、声質も全く紛らわしくないので、どんな人でも聞き分け簡単。
- デンマークらしい「くすくすオペラ」である。ストーリーを全く知らずに聴き始めても、何故か笑ってしまう。リブレットを読んでも読まなくても楽しめる。
- 百年以上前の作品だけど、ストーリーが現代的。というか時代を問わず普遍的なテーマを扱っている。一言で言うと、大人のためのサンタクロース物語。決まりきった日常を繰り返す夫婦のところに奇妙な客人がやってきて、忘れていた人生の楽しみを思い出すという「ちょっといい話」。
- 人が死んだり殺したり、恋に異常に思いつめてみたり、絶叫してみたり、不倫だったり近親相姦だったり、もうすぐ死ぬ筈の主人公が死ぬ前に10分以上も大声で歌ってたり、その他何かと、オペラに慣れていない現代人が触れて「引いてしまう」要素が出てこない*1。
- 全体に、王道な感じの耳馴染みの良い音楽と、話し言葉の延長の落ち着いた会話(しかも、くすくす調)が中心なので、日常生活でかけても大丈夫。突然変な絶叫が上がって、慌てて再生機のボリュームを下げたりする必要がない。家族対策もバッチシ。映画のサントラを家で聴くようなノリで楽しみたい方に。
- 歌唱に、オペラを聴く習慣がない人が違和感を感じる要素*2が入らない。
- 全体に、オペラ的な引っ張りが無い。どんどん場面転換して行くので、慣れていない人でも飽きずに聴き通せる。
ちなみに、上記+αの個人的なオススメポイント(←デンマークオペラ布教ポイント)としては。