DKTトリイゾ実況中継

聴かずに我慢出来るわけもなく、結局聴いてしまいました。いま1幕終わってインターミッション中です。

いやあ、まずはアナセンが調子良さそうで一安心。今日は声よく出てる。風邪ひいてないときも風邪みたいな声なのは仕様です。ドライ味はどんどん増してきてるような気がする。しかしこの人の白眉はスポーツ歌唱的な声のすごさにあるんじゃなくて、最初から最後まで途切れない集中力と表現力と、ドラマなんだよな。ひとつひとつのフレーズにすごい力がある。この人はまだ成長してるなあ。すごいなあ。途中別人かと思うとこがあった。"War Morold dir so wert"の箇所かな。後で確認用メモ。

演奏は、すごく悪くはないけど鳴らし過ぎのような気がする<比較対象:シェンヴァントさん@リング。と言ってもあっちは販売用に加工された音だろうからライブ中継とは比較出来ないだろうけど。とはいえ、まとまり的にイマイチのとこがあってそれがオケが出過ぎの印象を与えてる節があるような。元々持ってる感覚としては悪くないが、それを実現する過程がこなれてない印象。というのは若い人だからという勝手な先入観だろうか。全体にずれてるんじゃなくて、ああ今のとこがー!もうちょっとこうー!となるからそう思うのだ。サウンドは相変わらず好き。DKTの管なんでこんなにしっくり来るんだろう。

他の音源より歌詞が付いていきやすい気がする*1。個々の歌手、あるいはデンマークのリズムや発音の癖に慣れてるからそう思うのかな。でもこうなってくると、歌詞の何言ってるか分かんない部分もはっきりしちゃう。

久々に聴いたら、テオリン姫がドラマティックというのはよく分かってきた。でもこの人、なにか全体にすごくお母さんぽい。声かなあ。いや別に妊婦のイメージを引きずってるわけでは。

クリステンセンは相変わらずいいな。声もセンスも好きだ。絶対私の嫌なポイントが入らないとこが好きだ。ってあんな短いところで何が分かるのかって感じだが、知ってる録音のここって、みんな、なんか嫌なことするんだもん。

ショーベルさんはまあまあかな。ソプラノ2人だから聞き分けにくいかと思ったけど、テオリン姫が個性的なのでその心配はなかった。

クルナベールのLundgren(ラングレン?)は初聴きの人だけど、こちらもまあまあ。

とか書いてるうちに2幕がはじまってしまったので、取り急ぎ投稿。最近体調をくずしていたので、最後までは粘らずに適当なとこで寝るつもり。録音も出来ているようで一安心だ。

2幕

2幕の二重唱のカットがかなり大幅だった気がする。1幕のときにも思ったが、もしかしてテオリン姫、調子悪いのかな。声がすごく辛そうで出てないときがあるような。ちなみにアナセンにそういう箇所があるのはやっぱり仕様であるので、それは調子悪いわけではない。この人は声散りやすいしな。

メロートは誰だこれ。これは私的にはNG過ぎる*2。ミリン・マルケがあまりにもミリン調なので笑える。駄目だ笑っちゃ駄目だ。本番でも笑っちゃったらどうしよう。

3幕

なんとなくおそるおそる聴いてましたが、3幕まで通して聴いたら、すっかり満足してしまいました。素晴らしい!!!

この一年でメンバーにすっかり親近感を感じてしまったので、誰かが調子悪いんじゃないかしらとか、演奏がイマイチだったらどうしようとか、ああ今のとこ辛そうーとか、手に汗握って必要以上にヒヤヒヤしてしまいましたが、終わり良ければ全て良し!粗がないわけじゃないけど、特に2幕のオケとか、珍しく目立つミスとか頻発してたりするけど*3、でもライブだ。とってもライブだ。嬉しい。あんま聴き込まないつもりだったのに結局集中して聴いてしまったよ。でもちょっと思ったけど、声が合う合わない方面では滅多に不満を持たない私ですが*4、ミリン・マルケは声があんま王っぽくないな。庶民的っつーか。舌足らずもあるな。あの舌足らず加減でやるファーゾルトは殺人的にいじらしくて可愛いのに。

ついでにちょっと贅沢を書いていい?今回の組合せ、タイトルロール2人の重唱がそんなでもなかったかのが意外かと。二人が交互に呼びかけるキャッチボールはすごく息が合ってるのに、そこから期待してると重唱がそんなにピッタリじゃなかった。そういえばジークフリート3幕もずっとキャッチボールだったなあと思いました。

*1:実演前にのめり込み過ぎないように歌詞を参照しながら聴いている。ついでに、実演前にはこの1回しか聴かない予定である。

*2:でもこういうの、客ウケは良かったりするんだよな。特にアジア地区で。

*3:ミスなのか、指揮者の力不足なのか、イマイチ釈然としない箇所も結構ある。ミスか?と思って聴いてるとあまりにもずっと続くので、もしやこれは指揮者の意図なのか?と迷い始めてしまった。

*4:神の威厳とか、王の高貴さとか、そういう雰囲気っぽいのより登場人物のパーソナルな面にどんだけ迫って表現出来てるかに興味の殆どが向いちゃってます。