バレエ初体験記@DKT

そゆわけでインターミッションを待って2幕から観たのですが、すごく面白かったです。これが初バレエでした。5階のギャラリでしたが、客席部分の奥行きが小さいので全然遠く感じません。それに舞台の奥行き方向が見渡せて良かったです。周囲はお子さんを連れたパパor夫婦*1でお子さんが声をあげたり動いたりするものの、日本のように目くじら立てる感じではなく、頻繁に拍手の機会があって音楽も中断するので、全く気にならなかったです。こんくらいの方が好きだな、私は。あのピリピリした観客の中にいなきゃいけない感じはどうも苦手です。

それに旧劇場の上は音響がいい!演奏はそんな単独で感心するような感じではないですが、やっぱり音響がいいと聴けてしまいます。正直チャイコフスキーのSleeping Beautyは事前学習で録音で聴いても面白くなくて、大丈夫かなあと思っていたのですが*2、生音はやっぱりいいですね。これは良かった。

バレエって、割とショートスパンで次々とシーンと踊り手が切り替わって行くもんなんですね。目先が次々と変わるので、たしかにお子さん向きです。最上階で見たので、男性ダンサーの下半身があまり気にならないのも良かった。どうも見てられないのです、あれは。バレエビギナーにありがちな反応かと思いますが。

幕が開くと、何故か現代劇???と思ったら、どうもそれは前触れだけらしく、すぐに白いヴィクトリアン調の衣装を着た王子が出てきて、森の中に入っていって、良い魔法使い*3と悪い魔法使い*4と同系色の手下達と絡んだりして、紗幕の向こうに眠る眠り姫を起こして、一通り会話?つーかコミュニケーションがあって・・・って感じで分かりやすいです。一緒に眠っていたお城の一行も目覚めて、彼らは王子より一時代前のロココ調の衣装で、なるほどねーと思ったりします。こっちの衣装も豪華でした。ちなみに道化もいて結構活躍します。悪い魔法使いの悪行がバレて王様が斬首を申し渡すと、姫や良い魔法使いのとりなしでそれは免れて、ここで良い魔法使いと悪い魔法使いが抱き合うのは新鮮に拝見しました。一通り色んな登場人物による目覚めを祝うダンスが披露され、姫と王子の結婚式の場面に移り変わり、最後は神父が出てきて結婚の誓いの場面で終わると、上からプロセニウムをほぼ覆うサイズの額装された絵が出てきて、それが最後ストップした場面と同じ場面が描かれているというもの。この絵は元ネタがあるのでしょうか。舞台セットの中ではずば抜けて精巧に作られていると思いましたが、まさか本物の年代物のでっかい油絵なのでしょうか。最初の現代劇はこの絵を現代で見ている人達なのでしょうね*5


全体に、めっちゃ出てくる人数多くて衣装も凝ってて、満足感がありました。分かりやすくて、次々に目先が切り替わって、演劇性も高くて、イメージしてたのとはちょっと違ってて*6、本当に誰にでも楽しめる娯楽になってると思いました。誰でも楽しめる娯楽ってのは、昨年ここで初オペラを観たときと同じ感想です。まだソリストのテクニックや個性なんかを味わうには至りませんが、楽しい初体験になりました。機会があったらまた観たいです。しかし目の前で生で見てると人間技じゃねえとは思いました。あ、あとニコニコしてるかと思ったら、今日のメンバーはあんまニコニコじゃなかった。事前に見たビデオ映像の人がニコニコの人だったので、つい期待してました。あと女王バースディガラもニコニコだったんだもん。えっと、結局微笑みじゃなくて満面の笑みっつーか、ニコニコ系が好きなのね。そゆわけで大変リラックスした雰囲気の中で楽しい初鑑賞となりました。

*1:何故かパパ率高し。何故だ?バレエの観客は女性が多いと聞いて期待していたのに(←何を?)、ワーグナー演目ばりの男性率だった。日曜はパパが子供を連れて出掛ける日なのか。

*2:ついでに一個前の演目の白鳥の湖のシェンヴァントさんの録音が最高だったのでつい期待が上がり過ぎてしまっていた。http://d.hatena.ne.jp/starboard/20101005

*3:ディズニーアニメに出てきそうなお姫様風。テーマカラーはピンク。

*4:これまたディズニーアニメの白雪姫の継母風。カラーは紫。

*5:ところでこれって、どこまでが原作の範疇でどこからオリジナルなんでしょうか。バレエの台本(?)って何が書いてあるの?

*6:もっと耽美的っていうか、登場人物が澄ましてる感じかと思ってた。