タックルコンサート@DKT

続いて対岸の新劇場に移って、15時からカフェ・コンサートです。トルネローズが12時開始で2時間との情報を元にこういうスケジュールを組んだのですが、意外と終わるのが遅く、旧劇場を出たときには残り15分。また移動に一悶着あって最短とは行かず*1、半年も前から楽しみにしていたコンサートに遅れてしまうという事態に。とりあえず対岸を結ぶ水上バスに乗り、10分ほど遅れて新劇場に辿り着きました。

本日のプログラムはこんなん。3演目とも、奏者も全て違うお得企画です。

http://www.kglteater.dk/Alle_forestillinger/Koncerter_10_11/Takkelkoncert4.aspx
Takkelkoncert # 4 - Chamber Concert at Christmas characters

  • Brahms: Zwei geistliche Lieder for mezzo-soprano, viola and piano
    Starring: Ulla Kudsk Jensen, mezzo-soprano | Sune Ranmo, viola | Orsi Fajger, Llave
  • Schumann: Sonata for violin and piano
    Starring: Sara Wallevik, violin | Ulrik Strong, piano
  • Stravinsky: The story of a soldier
    Starring: Henrik Koefoed says | Jon Gjesme, conductor | Tobias Durholm, violin | Meherban Gillet, double bass | John Kruse, clarinet | Claus Frederiksen, bassoon | Nikolai Viltoft, trumpet | Kasper Thaarup, trombone | Mads Drewsen, percussion

NB! December month takkelkoncert has moved into the Opera Grand Foyer, where the music can be enjoyed with mulled wine, coffee and cake and the city's best views.

1個目はピアノ伴奏の歌曲で2曲目の途中からしか聴けず、しかしなかなか心地よい声の響きを堪能しました。2つ目のヴァイオリンとピアノのソナタは私的にはあんまイマイチで、もしかしたら私はこういうバイオリンのソロって苦手*2なのかも。あとピアノが結構バーク&クレッシェンドだった*3

しかしお目当てのDKTオケ奏者によるストラヴィンスキーが本当に素晴らしかった!!今回このスケジュールにして良かった!スケジュール組んだ時点ではプログラムが全く分かりませんでしたが、見事にストラヴィンスキーが当たって、本当に運が良かった!

まずファゴットがサイコー!この人の音好き。本当に簡単な、それこそ音符ひとつかふたつ分程度のフレーズが入るだけでも耳が幸せです。

そしてトランペット!どちらかというと苦手意識のあった楽器なのですが、こんなにしっくり来るトランペットは本当に珍しい!実はトランペットは奏者の顔見た瞬間に「あ、あの人だ」と思ってテンションMAXでした。期待に違わず素晴らしかった。殆ど無いのですが、たまにあるこの2つの楽器だけが重なる瞬間なんて、どんなにいいか。

トロンボーンもなかなか。その他のパートもみんな良かった。みんな揃ってちゃんと「ちょっと外した」ような音を出せるところが素晴らしい!!これ、本当に外れてちゃダメで、ちゃんと制御された「ちょっと外した」じゃないとダメなんです。

この作品は朗読とセットになってて、朗読をしたのはたぶんDKTの芝居部門の人なんでしょうね。すごく達者で、声が作るリズムが心地良かった。やっぱり芝居も観てみたいと思わせるよい仕事でした。ちなみに、元々はロシア語なのでしょうが、デンマーク語バージョンでした。

全体にはユーモラスな作品で、楽しげに行進したり玩具箱をひっくり返したような感じのところももちろんすごく良いのですが、途中静かに絶対音楽風の和音進行っぽくなるところなんて、本当にうっとりしてしまいました。今日のメンバーも指揮者もサイコー!いやー。正直日本から募る思いに期待が高くなり過ぎて、いざ現地で聴いてがっかりしないかしらと心配していたのですが、無用な心配でした!

帰りにファゴットの人とすれ違ったので、熱烈サンキューを伝えて幸せに帰路に着きました。あまりに舞い上がって体がホットで元気だったので、相性の悪いバスはパスして、雪道を30分以上歩いて帰りましたが寒さを感じませんでした。

追記

兵士の物語(L'Histoire du soldat)は、オーケストラは弦楽器、木管楽器金管楽器のそれぞれから高音と低音を受持つものを選び―――つまり楽器の組合せは演奏者によって変わるわけですね―――それに打楽器を加えた七重奏だそうです(wikipedia:兵士の物語より)。今回の演奏では、ヴァイオリン、コントラバスオーボエファゴット、トランペット、トロンボーン、パーカッションでした。ストーリーは、ヴァイオリンを売って換わりに金のある生活を手に入れた兵士と悪魔が繰り広げるファンタジーな物語といったところでしょうか。

*1:しかし私にしてはかなり上出来な経緯で移動出来た。一回しか、しかも時間的なダメージとしてはほんのちょっとしか間違えなかった。いや、そもそもミスが小さいのを上出来とか言われても。つーかこのスケジュール組んだ時点で大失態という説もある。

*2:つーか聴き方が分かってない?

*3:そんな言葉があるのか知らんが、私は最近心の中でこういうジャンルを作って、ある種の芸風の人をここに分類している。