京都市オペラハウスウォッチ (2)

自分用のメモ代わりにエントリを書いたら、毎日この問題をウォッチしてる人がいることが分かって、プチ驚愕しているstarboardです。年末にあの記事が出た段階で調べておいた京都会館の改修経緯の報道のうち、京都新聞の記事の電子版がオンライン上で読めなくなっていることに気付いたので、ここに保全しておきます。まだアーカイブ検索ではヒットしていますが、そのうちこれも読めなくなると思います。

検索結果の例:http://www.kyoto-np.co.jp/similar/?id=52397&q=%E4%BA%AC%E9%83%BD%E4%BC%9A%E9%A4%A8%20%E6%94%B9%E4%BF%AE&t=0

http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/2010011400047
記事タイトル:舞台一新、にぎわい再生 京都会館50周年で、市が再整備構想

今春に開館50年を迎える京都市左京区京都会館について、市は現在の建物を保存継承しながら大規模改修を進める方向で、再整備構想を近く策定する。ホールの舞台設備を改善するほか、行楽客が気軽に立ち寄る「にぎわい施設」を併設する案も検討している。早ければ2011年度にも着工する。

京都会館は、市が京都初の本格的コンサートホールとして整備し、1960年4月にオープン。今でも京都唯一の2千人収容のホールを誇る。近年は老朽化が進み、稼働率は昭和期と比べて3割ほど落ち込んでいる。

識者や市民を交えて会館の将来像を議論した「再整備検討委員会」は06年、建物を保存しながら再整備構想を立案すべきとの意見書をまとめた。この中で「全面立て替えを求める意見も複数あった」と報告した。日本建築学会近畿支部は「日本のモダニズム建築を代表する建物を建て替える可能性もあり、危ぐを覚える」と市に保存を求めていた。

市は、現在の建物が比較的頑丈なことや財政難から建て替えは行わず、舞台設備の大改修を軸とする再整備構想をまとめる方針。会館東部分の同時通訳機を備えた会議場については、国立京都国際会館左京区)が66年に完成して利用が減ったため、内装を一新してにぎわい施設に変える案も検討している。

京都会館は11年秋に府内各地で開かれる国民文化祭の主要会場になるため、改修の着工はそれ以降になる見通し。今年4月には開館50年を祝う記念演奏会を開き、半世紀前のこけら落としと同じベートベン交響曲第9番を市交響楽団が披露する。

京都会館
昭和の代表的な建築家、故前川國男さんが設計した。京都市交響楽団が拠点にしたほか、コンサートや演劇などの公演に使われてきた。京都市出身の歌手沢田研二さんは「故郷を実感できるホール」と度々ステージに立ち、落語家の笑福亭鶴瓶さんは「師匠(六代目笑福亭松鶴さん)の落語を初めて見た思い出の場所」と懐かしむ。

【 2010年01月14日 10時27分 】

関連で、年末に出た岡崎地域の整備計画の報道です。こちらはまだしばらく読めると思いますが、ついでに保全しておきます。

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20101213000101
景観・文化・観光… 「世界の岡崎」発信へ中間案

 京都市左京区の岡崎地域の活性化に向け、地元住民や有識者らでつくる市の検討委員会は13日、文化芸術や国際観光拠点化などを柱とするビジョンの中間案をまとめた。

「世界の岡崎」を発信する新たな対策として、平安神宮前に南北に伸びる神宮道の歩行者専用化や夜のにぎわい創出、岡崎グラウンドを廃止し有効活用していく案を打ち出した。

 中間案では、市が世界遺産登録を目指す琵琶湖疏水や周辺社寺、庭園群の景観を継承する「山紫水明の杜」、みやこめっせ京都会館など既存施設を生かした「文化・芸術の都」、国際的な学会や企業研修を誘致する「国際観光・MICE(マイス)拠点」など五つの将来像を示した。

 その上で、今後10年間に取り組む方策として、世界水準のオペラを鑑賞できる京都会館の再整備や市美術館の機能強化▽市動物園の夜間営業やライトアップなど「光」による夜のにぎわい演出▽屋外アートやイベントを展開できる神宮道の歩行者専用化▽岡崎グラウンドの幅広い活用の検討▽疏水の水辺空間を楽しめる散策路整備−などを提案した。

 ビジョン実現に向け地元住民や関係団体、市が企画調整や情報発信で連携するエリアマネジメント組織の設立も決めた。

 平安神宮記念殿ホールで同日開かれた会合では、委員から「落ち着いた雰囲気を愛している住民の生活環境も考えてほしい」「世界の人を引きつけるには食事機能を重視すべき」などの意見が出た。

 市は中間案に対する市民意見を来年1月上旬から1カ月間募り、年度内に最終案を策定する方針。

【 2010年12月13日 22時34分 】

ここでオペラハウスという言葉が出ていますね。日経の報道はこの中間案の一部を抜いたのだと思いますが*1、こういった問題に詳しい市民筋からは、岡崎グラウンドの開発が本命で、ここに民間ホテルでも建てさせる気で、いかにも市民に反感を買いそうな大規模予算の公共工事などのネタをぶち上げておいて、適当に叩かれたところで譲歩してホテルの方にオペラホールなり大規模ホールなりを作らせるという形をとって、単独では通りにくいグラウンドの廃止と大規模ホテルの建築許可を通すのではないかという見方も出ています*2

*1:しかし金額はどっから出てきたか依然として謎だ。

*2:実は、京都市では最近こんな事例が相次いでいて、これまで市民の共有地だった場所や未開発地に対して、かなり強引なやり方で民間への建築許可を出すという事例が散見されていて、それも借地代が半額の意味不明な優遇になっていたりして、市民の共有財産がジリジリと切り売りされている事態なわけです。この憶測もそんな背景を元にしています。これが憶測で済めば私としては嬉しいのですが。