DKT財政危機の続き

その後の報道からメモ。

http://www.dr.dk/Nyheder/Kultur/2011/02/01/200556.htm
国からの補助金はこれ以上増やせないし、夏にも公演して、デンマーク国内を出稼ぎして回れということらしい。

http://www.dr.dk/P2/Artikler/2011/02/02113205.htm
今回のボリスの公演に触れつつ、今後はこういう大規模な(コーラスが多数登場するような)オペラは出来なくなって、チャンバーオペラ的なものになるだろうという話。


あの後つらつら考えてたんだけど、DKTはあんなに演出いいんだから、プロダクションを売るとか共同制作とかしないんだろうか。まあ演出の嗜好がリアリティ志向で癖があるのがネックになのかもしれないけど、でも、よく聞く話でドイツ当たりの小劇場では劇場数も公演数も多くて新機軸が出しにくくて変なことになってるなんてことを思えば、結構新鮮に見てもらえるような気がするのだが。そっちはそっちで独自プロダクションじゃないと嫌・・・・というか意義がないのかなあ。

正直私は日本にDKTのあの演出来て欲しいけどなあ。これまでに触れたDKTのどの演出も、演目問わず過去に日本で見たどの演出よりもいいと思う。ドラマの理解度が違い過ぎる。数が少ないからたまたまなのか。それとも私の嗜好が特殊で方向性がたまたま合致してるだけなのか。結局9割の人に支持される演出じゃないってことかなあ。分からん。

まあでもプロダクションを売るとか共同制作って、金額的に大きいのかどうか分からんし。お互いの交流とか人材育成にはなっても額的にはたいしたことないのかもしれない。大きいんだったらとっくに関係者はやってるだろうから、やってないってことはニーズがないか額的な効果は小さいってことか。と私なんかはすぐ考えてしまうのだが、この間の話を聞いてたら、既に交流があったり誰かのつながりがあればって感じで、必ずしも市場を把握しきってて質が良ければそれが流通するってわけではないみたいで、単に縁がないというだけという可能性もあるのだった。まあどのみち日本ではブランド力が大切なのでデンマークは無理だろうなあ。あんなに質はいいのに*1

でもあの演出を作り上げる文化は勿体無さ過ぎるので、是非維持して行って欲しいところである。ああいうのこそ資産だと思うのだ。もひとつ、ドラマと一体化したニュアンス歌唱の文化も私はすごいと思ってるけど、これこそ海外では受けないものの筆頭か。

もひとつ思うことがあるけど、明日書く。まあ、こういう話とは全然別個に、建物の維持管理の費用が年間予算の過半を占めるという状態はなんとかしなきゃいけないよなあ。

*1:でもそれも個人的な思い込みで、市場性ということでは私の感性は全く宛てにならないのはつくづく分かっている。ズレてるってのは辛いのだ。好きなものを応援することすら出来やしない。