アンサンブル神戸によるオラトリオ

面白かった。無理して行って良かった。しかし、こんくらいの大きさの会場で近いと自由な感想ってのが書きにくいですな。後で自分が見返すためのメモなんでご容赦を。

ホールは最寄り駅から10分とか15分とか書いてあって、どんだけ歩かされるのかと覚悟してたら、直線距離では駅から1〜2ブロックだった。ただ駅から通り一本隔てたところに行くのが難しい。こういう街作りってどうなんだろう。

前半はそこそこ面白く聴けたものの、毎度のことながら腑に落ちる感じはしない。って、これは聴く側のスキルの問題で、しない場合が殆どで、もっと感じ取れるように私も苦戦してるとこなんだけどさ。

後半のオラトリオが目当てだったんだけど、これは良かった。竹田氏はやっぱり面白い。何がどうって言うのが難しい(つまり、極端ではない)特質ではあるんだけど、やっぱり生身っぽくない。丁寧で繊細で瑞々しくて、ちゃんと熱がある。次回も聴きたいと思った。第5曲のソロなども堪能しました*1ソリストは割とみんな良くて、あとソプラノの人が、おっと思わせてくれたんだけど、なんかちょっとワンパターンに感じてしまったところも(とはいえ最初からそう思わせてくれない人よりは全然いいのだが)。

合唱も良かったです。女声が男声の4倍くらいいて、女声がコーラスっぽく厚みを持って聴こえてくるのに対して、男声パートが入るとコーラスっぽさが薄れるのはご愛嬌。

あー。これはただの余談ですが、ちと思ったのは、日本でこんなこと言っても仕方無いかもしれないけど、合唱、何言ってるのか殆ど分からないですね。いや別に分からない方が普通だと思うんだけど、それは本場で聞いたってそういうもんなんだけど、日本人にありがちなリスニング・コンプレックスのある身としては、歌詞見てても分からないとコンプレックスを刺激されて居心地が悪いのでした。いえ、ただの余談ですけどね。今回はドイツ語だからまだマシで、メサイアなんて英語なもんで、何言ってるか分かんなくてマジ針のムシロな気分に。コンプレックス持ってる方が悪いんですけどね。これがもっと上級者なら分からないのは向こうが分かるように発声してないからだって思えるんでしょうけど。・・・音楽と関係ないですね。いや、ずっと思ってて、いつか書こうと思ってて今日思い出しちゃったので。

曲は、なんだろ、職人的で様式感あふれる感じ。配られたプログラムに、このテキストに付けられたある演奏を聞いて「俺ならもっとうまくやれる」と思ったハイドンが曲を付けたというエピソードが紹介されてたけど、たしかにそんな感じ。合唱とソリストの絡ませ方とか。

そんなんで良かったんだけど、フィナーレのオケパートがバラバラっとしてしまったのは、残念だったかなあ。

アンコールで、黒海組曲という民族的な雰囲気の曲をやってくれて、これはすごく面白かったです。終演後にホワイエに貼ってあった説明では指揮者の名義になってましたが、演奏前の説明では作者不詳のローカルワルツみたいな印象を受けたのですが、編曲したってことでしょうかね。なんにしろ、サービス精神旺盛な指揮者でした。

アンサンブル・神戸 第32回 定期演奏会
2011年 6月18日(土) 神戸新聞松方ホール
W.A.モーツァルト 交響曲第40番 ト短調 K.550
W.A.Mozart Symphonie Nr.40 g moll K.550 
J.ハイドン 7つの最後の言葉 Hob.XX:2
J.Haydn Die sieben letzten Worte unseres am Kreuze Hob.XX:2rte Erlö
黒海組曲(アンコール)
アンサンブル・神戸(管弦楽
神戸21世紀混声合唱
老田裕子(S)  橋爪万里子(Ms)
竹田昌弘(T)  小玉晃(Br)
クリスティアン シュルツ(指揮)

*1:この曲にはソロは殆ど無いのだけど。