イル・トロヴァトーレ@関西歌劇団

今日はこれに行ってきました。感想は後ほど。

2011年11月13日(日)
関西歌劇団第93回定期公演「イル・トロヴァトーレ

追記

と書いて非常に長いこと放置してしまいました、すいません>時々検索でチェックしてくれてた人。時間が経ってしまったので記憶がそんなに正確ではないので、印象が強く残っているところだけ。

初めての作品でしたが、非常に面白く観れました。この暗い暗い作品自体も面白かったし、暗めのトーンに光を効果的に使った演出も良かったし、ソリストのみなさんも良かったと思います。

非常に強く印象に残っているのが、アズチューナの田中友輝子さん。母親の復讐をしようとして誤って我が子を犠牲にしてしまい、手元に残った敵の子供を育て続けたというこの暗い役を、リアルな情念で表現していて、あっという間に引き込まれてしまいました。声も、なんというのか、よく磨かれた声であると感じました。この舞台ではアズチューナは血の繋がらない息子のマンリーコと大抵セットで現れるのですが、マンリーコの方が誰にでも分かりやすく、オペラを今日はじめて聴く人でも分かるような、所謂分かりやすいいい声なんですが(実際客席ウケも良かった)、田中さんの方はそういう声質ではないのですが、交互に歌うと声の磨かれ方が全然違うと感じました。ってテノールとメゾを比較してどうすんだって感じですが、音楽体験としてこう感じましたということで。あ、ちなみにマンリーコはアズチューナとセットで登場するから言及されただけで、悪いわけでもなく、スペシャルではなかっただけです。客席ウケは良かったからいいじゃありませんか。

あとルーナ伯爵を歌ったもう一人の田中さんが大岡越前じゃなかった!大岡越前のままヴェルディしてくれるのを期待してたのに!(←お前はオペラをなんだと思ってるんだ)

若い主役2人は、声は綺麗なのかもしれませんが、表現が届いて来ないというか、熱唱してても伝わって来ないもどかしさが私はありました。声が綺麗でよく出てたらそれで客にはウケるんだから難癖かもしれません*1

2011年11月13日(日)
関西歌劇団第93回定期公演「イル・トロヴァトーレ
指揮/牧村邦彦 演出/井原広樹
管弦楽/ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団
合唱/関西歌劇団合唱部・大阪メンズコーラス

ルーナ伯爵 田中勉
レオノーラ 樽谷昌子
アズチェーナ 田中友輝子
マンリーコ  清原邦仁 
フェルランド 片桐直樹(関西二期会
ルイーズ   岩崎慎也(客演)
イネズ      大さき友美
老ジプシー  和田一人
使者     蜂須賀一晃

*1:声がよく出るのがよい歌唱という価値観らしく、下手に表現しない方が満遍なく声が出るので喜ばれるという、軽く発狂しそうな客席事情であることよ。嗚呼。