報告/12/13 意見報告会の発言要約

レイアウトが見にくくてすみませんが、シンポジウムで報告した意見交換会の発言内容をここに記録しておきます。2、3日うち中に、シンポで話したコメントを追加してレイアウトも手直ししますので、是非フォローしてください。

http://www.jca.apc.org/jikkuri/docs/111213_IkenKokankai_Report.pdf

意見公開会の開催時の情報はこちらです。
http://d.hatena.ne.jp/starboard/20111213

追記/本文公開

報告「京都会館再整備に関する意見交換会」 2011/12/13(火)於職員開館かもがわ
作成:京都会館再整備をじっくり考える会 西本 jikkuri.kyoto@gmail.com


進行

  • 1 事前に寄せられた質問・意見の提示
  • 2 説明と回答
    • 京都市会議員(民主党) 穏塚市議
    • 文化市民局文化芸術都市推進室 尾崎課長
    • 都市計画局公共建築部 溝上課長
  • 3 意見交換
  • 穏塚:利用者から使いにくいとの声がある。既存不適格で、改修予算60億も出せない。その中で、ロームの話があり、国からの交付金もあり、急転直下で色んなことが進んだ。
  • 尾崎:老朽化と舞台機能の不足。府内唯一の2千席のホールで、座席数を維持して大幅な機能改善を図る。多目的ホールとしての機能を維持し続ける。今まで出来なかったことを出来るように、観れなかったものを観られるようにする。民間活力の導入と適切なマネジメント(レストラン運営・ロームとの命名権)、2012年2月に都市計画の審議会がある。

1)景観・都市計画・建築に関する質問・意見

  • 1-1)東山の景観を、どう守っていくのか。
    • 穏塚:(東山の景観の話をしていない?前川建築の保存の話をしている?)
  • 1-2)岡崎全体の中でこの計画をどう位置付けるのか。
    • 尾崎:岡崎活性化ビジョンの一環である。
  • 1-3)都市計画規制の変更(15から31メートルへの緩和)は許されるのか、景観規制への自殺行為になるのではないか。
    ※不動産や建築関係者等の不満を強引に押し切って規制を開始したのに対し、管理監督者自身が、充分な説明義務を果たさずに規制を破ることを、どのように考えるのか。
    • 穏塚:役所のやることであれば通すというのはいけない。他の利益(市民にとって使いやすい会館になる)とのバランスと考える。説明責任を果たすように求めていく。
  • 1-4)建築的価値の高い文化財をどう守っていくのか、守るべき京都会館の価値を京都市としてどのように認識しているか。
    • 尾崎:継承委員会では、中庭空間、庇、二条通りから中庭に至る空間構成が挙げられている。人が集って使われ続けて価値がある。機能を向上して、使われ続けることが価値。
    • コメント:京都市としての認識の回答はない。継承委員会の発言の紹介のみ。市役所の認識としては、使われることが価値であり、守るべき建築的価値は無いとも受け取れる。

2)プロセスに関する質問・意見

  • 2-1)プロセスに問題有、市民の意見を聞いて進めるべき。
    • 穏塚:今の状況がよいとは思っていない。これから納得して頂ける状況を議員として作る・働きかけていく。
    • 尾崎:H14年度から9年間検討してきた。(H14)耐震調査、(H16)来場者・プロモータに対するアンケート、(H19)2千人の市民アンケート、(H21)素案策定、「素案」策定後も、演劇や舞台芸術の関係者に個別に意見を聞きながら内部検討を続けた。基本計画策定時にはパブリックコメントを行って市民の意見を広く聞くことも行った。公共ホールの機能を再生するために現時点で考える最適な計画であり、多くの皆様にご理解頂いていると認識している。
    • コメント:内部検討しかしていないと明言。H21までと、その後の基本計画に連続性がないから、H21以前の検討は、基本計画の補強にはならない。
  • 2-2)2月のパブリックコメントでは必要な情報(建替・舞台高さ・工事費の規模等)を開示しない中で意見が募集された。送付した意見も反映されていなかった。部分賛成の意見(改修は必要だが計画には問題有)を全体賛成として扱われて不本意である。
  • 2-3)舞台の高さと奥行を、誰がいつ決めたのか。
    • 尾崎:舞台芸術の関係者や利用団体の意見や、利用者・プロモータ意向調査の結果から、必要な舞台規模を検討した。オペラやバレエなどの総合舞台芸術、吊りものを使う演出に充分に対応するため。京都府合唱連盟からはH18年アンケート調査の回答で「12mのプロセニアムが必要」との回答、プロモータ6社からも12m以上必要、18m必要という要望も1社あった。ここからプロセニアムを12m、舞台内高さを27mとした。
    • コメント:それで、誰がいつ決めたんですか?参考とした材料は分かったけど、責任の所在は?
  • 2-4)「京都会館再整備基本構想素案(以下「素案」)」までの改修案と、「京都会館再整備基本計画(以下「基本計画」)」の間には大きな飛躍がある。この間の経緯について説明頂きたい。
    京都会館の建物価値継承に係る検討委員会(以下「継承委員会」)では、事務局から再三、充分に議論をして基本計画と舞台高さが決まったと発言されている。議論というには複数の参加者のいる場であり、しかも(公の委員会であのように発言するからには)公の場であったと考えられるが、誰の立会いの下で、どんな性格の場で議論されたのか。
    • 尾崎:素案段階ではハード的な検討を、現行の27.5メートルを超えない範囲で行った。今回の基本計画では、ハード面だけでなく、再整備の費用や運営面も踏まえて、どのような京都会館像を目指すのかということも含めて、さらに検討を深めた。
    • コメント:経緯の答えはない。この質問で無いということは、「公の議論はない」という回答だと解釈出来る。
  • 2-5)継承委員会では基本計画そのものに対する異論が提示されている。これは再整備にどう反映されるのか。専門家によって異論が提示されるということは、基本計画に無理があるのではないか。
    • 溝上:基本計画は決定されているので、これを受けて検討している。私共の側から基本計画を変えるということはない。
    • 尾崎:異論とは前回指摘された高さのことで、次回の会議の中で事務局から回答して解決する。
  • 2-6)基本計画の改修案(A案)の89億円 92億円は「平成19年度京都会館再整備構想検討に係る機能改善可能性調査(以下「機能改善可能性調査」)」の上限60億円と比較しても高額過ぎる。この違いについてご説明頂きたい。
    • 尾崎:基本計画は他のホールの改修の実例を元にして試算した。機能改善可能性調査は新築時の何割であれば充分な改修が出来るという検証であり、精度が落ちると考えている。
    • コメント:機能改善性調査は、積み上げと改修費/新築時のコストの比率のダブルチェックを行っており、文書からは基本計画より細かく見える。また比率は相場の算出であり、相場より大きな改修であれば見積りに問題があるのでは。
  • 2-7)京都会館の使用者に対する配慮が無さ過ぎるのではないか。計画作成の中で使用者の意見を聴取する、アナウンスから閉館までの対応期間を設ける、閉館期間中の代わりの会場を手当てするなどの配慮をすべきではないか。
    • 尾崎:H16アンケート、H19市民アンケートを行い、基本計画の策定後も個別に意見を聞いた。閉館中の対応は、京都市の文化会館とコンサートホールの案内と現地見学会を行った。

3)改修後の施設に関するもの

  • 3-1)何故オペラか?
    • 穏塚:オペラを第一優先にとは考えていない。「オペラも出来る」が、様々な舞台芸術が出来る可能性が高い場にしたい。
    • 尾崎:多目的ホールとして再整備を行う。専用目的化は考えていない。舞台機能を拡充し、幅広い芸術に触れる機会、一流のものの鑑賞記会を提供する。オペラやバレエは舞台設備に求められるハードルが高いので、これらに対応できれば他の芸術にも充分対応出来るので、オペラやバレエに対応出来るようにしたい。
    • コメント:一方、岡崎活性化ビジョンには、「文化・芸術」の項目の筆頭に「世界水準のオペラ」との文言がある。基本計画「6. 再整備案の検討」における「舞台の奥行き」「舞台内の高さ」の検討で、「オペラの公演が(も)可能な舞台水準」と「世界水準のオペラが巡回する日本のホールとほぼ同等(同程度)の舞台水準」を比較検討し、後者を選択している。ポップス等に対応するなら、もっと低くても足りる。単にオペラも可能というだけでなく、「世界水準のオペラ」まで特定して舞台のスペックを決めている。
      風致地区に「大は小を兼ねる」発想で大きなものを作ろうとする姿勢には疑問がある。
  • 3-2)なぜ2千席なのか。
    • 穏塚:京都で2千席ある会場は他にないので、これまで出来たことが出来なくならないように、今ある座席数を維持して頂きたい。
    • 尾崎:現在が2015席、京都府下で2千席を超えるホールは京都会館だけ。実際にニーズがある。
  • 3-3)自主事業の予定はあるのか。
    • 尾崎:決まっていない。自主事業の充実によって文化創造の発信の場としたいという思いはある。
  • 3-4)過大になると思われる舞台機構のメンテナンスコストの試算はされているのか。
  • 3-5)市民の普段使いのための機能は保証できるのか。使用料などの見通しはどうなっているのか。
    • 穏塚:設備的にスペックをフルに使う利用形態と、そうでない利用形態で使用料に差をつけることを考えているし、そうなることを求めていく。極端な使用料にはならないし、しない。見通しは現状ない、今後の課題である。
    • 尾崎:市民の発表の場として使われ、京都会館に育てられた、京都会館の演奏に誇りを持っているとの声があることは認識している。プロの興行だけでなく、市民利用を継続したい。プロが使う場合と、例えば会議に使う場合で舞台の使い方が違うのであれば、利用料については差をつけるということも検討していく。今後の基本設計で、舞台設備が決まっていく中で並行して検討していく。
    • コメント:先に条件として提示しないとコストを抑えるのは無理では。舞台規模に応じた標準的なコストはかかる。コストが判明した後で舞台規模を見直すことが有り得るのか。コストが上がるのに使用料は上げない=税金による負担では。
  • 3-6)長期の財政的見込み、使用料、維持管理費やその他の諸経費、施設としての収支について説明頂きたい。
    びわ湖ホールの運営費は年14億円、新国立劇場は48億円、アルカイックホール(一面舞台のオペラ対応舞台を持つ尼崎市所有のホール)は9億円、現在の京都会館は5億円(持ち出しは2.5億円) 3億円(持ち出しは1億円)
    • 穏塚:今その見通しはない。見通し無しでは議会でGOしない。今後の課題である。
    • 尾崎:今後の見込みについては、基本設計の結果次第であり(基本設計の中でどれくらいの舞台設備が盛り込めるのかによっても変わるので、それによってメンテナンス代も変わってくるので)、運営については今後の検討事項である。
    • コメント:ハードが決まってから運営費が決まるのではなく、運営費の範囲内にハードを収めるものではないでしょうか。
  • 3-7)改修後に増大した京都会館の運営費が、財団(京都市音楽芸術文化振興財団)の収支を悪化させないか。それが京都市の音楽・舞台芸術の演奏・公演活動への財政的圧迫をもたらさないか。
    • 穏塚:利用率が上がる見込みのある指定管理者を選ぶので、京都市の音楽・舞台芸術の演奏・公演活動への財政的圧迫にはつながらない。
    • 尾崎:本末転倒にならないように考えていく。
    • コメント:全国各地で困難なことが、知識もなく、想定もしていない状態で可能になるとは思えません。そんなに簡単に出来るなら、もっと切実な人達が既にやっています。
  • 3-8)① 基本計画でうたわれた「世界的に著名なオペラ」が可能になる舞台が、なぜ京都会館に必要なのか?
    ②(「世界的に著名なオペラ」が可能になる舞台が、京都会館あるいは京都市民に必要とは思わないが)もしそうだとして、ハードとして可能か。また誘致のための活動はどうするのか。その状態を継続可能か。ロームとの契約に記された「世界的に著名な公演」が上演可能な状態を継続可能な見込みはあるのか。
    ※ハードに関しては、継承委員会の場で、委員からも不可能である旨が発言されている。
    ロームとの契約は「世界的に著名な舞台芸術等」が上演可能な状態を維持することが義務であり、満足していなければ契約解除・返金となる。
    • 尾崎:舞台機能の拡充、幅広い芸術に触れる機会、一流のものに触れる機会の提供によって、オペラだけでなくポップス・ミュージカル・演劇についても新たに観られるようになる。4面舞台を備えたオペラの専門劇場ではない。オペラについては演目によるので、ハード的には対応可能。誘致は、例えば複数のホールで連携して誘致を行うことが考えられる。維持管理を適切に行うことで評判を担保する。
    • コメント:オペラについては専門的・実践的な知識がなく、単なる希望でしかない。契約解除=税金負担なので、結局市民の負担になってしまう。
      なお、「世界水準のオペラが巡回する日本のホール」は、単にメインステージの高さと奥行きだけでなく、バックステージ(舞台袖、奥舞台、楽屋)に充分なスペースがあることが基本計画とは異なる。これらを備えずにメイン舞台の高さと奥行きだけを揃えても、世界水準のオペラ が興行的に使うホールとはならない。一方、東欧などの巡回オペラや国内制作団体のオペラであれば可能であるが、これらは、もっと小さい規模のホールで上演している実績があり、基本計画のような建替の理由とはならない。舞台高さとターゲットの関係が不明確。来日オペラには、有名歌劇場がやる興行ベースのオペラ(チケット代5万円以上で、チケット収入により興行を賄う前提で、大規模なセット・人員・バックステージを必要とする)と、地方自治体等が公演を買い上げて誘致する前提の巡回オペラ(チケット代2万円以下で、小さなホールでも行えるセット・人員である。費用の一部をチケット収入で補填するが、基本的には誘致側の持ち出しで行う)があり、後者しか出来ない敷地・社会状況であるのに、前者のための舞台高さを前提とすることが矛盾している。
  • 3-9)「素案」や「機能改善可能性調査」に示された、現在の建築の改修による舞台拡張案(17〜20m)と比較して、基本計画の舞台(27m)によって可能になる上演は何か。その上演の頻度はどのくらいの見込みか。
    • 尾崎:近年建てられた千五百席以上の公共ホールでは舞台内高さ27mは過大なスペックではなく、標準である。一般にはプロセニアム9mであり、吊り物の演出をしようとすると20mでは足りない。オペラだけでなくポップスや演劇にも共通である。頻度は分からないが、吊り物の演出は特別なことではない。
    • コメント:参照している千五百席以上の公共ホールは舞台内高さだけでなく、バックステージも広い。京都会館の敷地計画で高さ27mは釣り合っていない。プロセニアム高さは可動に出来るし、可動にしている例は豊富にあり、20m未満でも吊り物の演出をやっている。必ずしもプロセニアムの最大高さに合わせる必要は無い。
      風致地区に、そうでない地区と同じ発想で高さを求めるのには疑問がある。

4)公共ホールとしての位置付けに関するもの

  • 4-1)公共ホールとしての役割、地域の文化の振興、子供の芸術活動の機会を、この計画でどのように果たしていけると考えているのか。
  • 4-2)公共のホールの社会的な使命について、どのように理解しているのか。
    • 穏塚:使うだけでなく観に行くのも公共ホールの役割である。びわ湖ホールや大阪、神戸に行かなくてすむようにする。
    • 尾崎:質の高い文化芸術を鑑賞する場、発表する場の役割を50年間担って来た。安全面の確保、耐震化が必要、老朽化、施設自体を使い続けられない。施設を更新することで、こうした場を提供し続けることが公共ホールの役割。
  • 4-3)「貸ホール」になぜ税金をつぎ込むのか。
    • 尾崎:貸しホールであるか否かに関わらず、市民の財産として適切に維持管理する。
    • コメント:「鑑賞の機会」一点ばり。質の高い芸術は専門ホールで観たい。多目的ホールでは、市民利用しやすい使用料や運営を維持して欲しい。お金は箱モノではなくソフトにかけて欲しい。

フリーディスカッション

  • フロア:冒頭にあった再整備の費用について聞きたい。結果が分かるのはいつか。
  • 尾崎:国のまちづくり交付金国土交通省) を、今年の11月に申請した。結果が分かるのは来年度で、いつになるかは分からない(震災の関係で例年より遅れている、例年のスケジュールも分からない)。
  • フロア:建替後の運営費について、設備的に近いと思われる尼崎アルカイックホールで9億円かかっている。京都会館の建替については年間1億円を超える運営費のアップが見込まれる。これに対して、回答が「そうならないように求めます」「今後検討します」しかない。京都の今後の文化政策として、非常に問題だと感じる。
  • フロア:ハードにお金をかけるよりも、市民が芸術に触れるお金の使い方をして欲しい。あの建物は残すべきだし、残して欲しい。
  • フロア:今の会館は早く直して欲しい。あの会館は美しいと思わない。もっとお金をかけて、もっと綺麗にして欲しい。もっとどんどんお金を付けるように努力して欲しい。中庭は不要。外見にお金をかけて欲しい。
  • フロア:私の周りの団体は、京都会館に不便を感じているし、早く直して欲しいと言っている。20mは必要。パリのオペラ座は半分が民間、半分が国の費用で維持している。もっと民間にお金を出させる行動をして欲しい。
  • フロア:こういう市民の意見を聞ける機会をもっと作って欲しい。その意味で残念なのが高さ規制で、地区計画で土地の地権者が京都市しかいない状態で、地権者の合意さえあれば変更可能という制度を利用して行った。多くの市民の意見を聞く制度である特例許可制度を何故使わないのか。何故主旨に則った制度の使い方が出来なかったのか。承継すべき価値については、2回の議事録を読むと、「改築から建替まで幅がある」「基本計画には検討した形跡がない」と委員から指摘がある。提案者として、説明する義務がある。説明していないから紛糾する。
  • フロア:こういう施設を作るときに美術品などに1%入れるということがある。岡崎の地であるし、レストランなどで人を呼ぶのではなく、文化的なもので呼ぼうという考えはないのか。
  • 穏塚:岡崎グランドでは、あそこをグランドのままにしていいのか考えて行く必要がある。市民にアイディアを募り、助けて頂く必要がある。
  • 穏塚:使ってもらえることが重要。公演数を増やすために、他の大型ホールで出来ることを出来るようにすることが必要。本当に27m必要なのか確認していく。
  • フロア:議論をせずに、予算ありきで計画があり、後付で辻褄を合わせているので、このような形になる。議論を尽くしていない。それが一番気になる。ロームと国の補助金で、身銭を切っていないのでこうなる。
  • 尾崎:市民の財産を、税金を使って管理するつもりで考えている。身銭を切っていないとの批判は不当である。
  • フロア:そういうホールが必要だとして、あそこでなければならないかということなど、議論を尽くしていない。継承して行くべき価値に関して、「人が集まらなければ価値がない」と一蹴した。行政担当者としての資質を疑います。
  • 主催者:過程をオープンにして頂きたい。オープンにすれば色々なアイディアも出てくる。

主催者メモ:

  • 1. 現状で必ずしも悪くない稼働率なのに、使ってもらえないという前提で話している点が疑問である。
  • 2. 素案までの改修案を抜きにして、現状 vs. 基本計画で話が進んでいる。建替でなく改修でニーズを満たす前提で検討が進んでいたし、その蓄積もある。改修そのものに反対しているわけではない。
  • 3. 殆どのニーズは改修で対応出来るし、それで対応出来ないものは基本計画では対応出来ない。追加の7mは得るところが殆どない。オペラに関しては「大は小を兼ねない」「専門スタッフのいるホール・本気のホールで聴きたい」「多目的ホールは有難迷惑」。来日オペラが激減している状況で、しかも規模の被るホールが近隣にあるのに、何故こういう計画になったのか理解に苦しむ。行政の勉強不足であるし、関係者や専門家を介在させずに不透明なプロセスで計画を作成した帰結である。
  • 4. ホールの新築・改築は、地域の芸術活動を充実させる契機となる。京都市ではそのような契機とならず、むしろ関係者を排除する方向で進んでいることは非常に残念である。市が想定しているリニューアル後の姿は、大型興行や(世界水準と称した)海外の団体の来日公演を呼び込むことばかりで、地域の芸術資産を育成する視点がない。近県の状況と比較してあまりにも時代遅れである。このままでは、地域の活性化につながらない、以後の維持費が負担となる箱モノが出来てしまうだけである。
  • 5. そもそも、京都市は建物を作るときだけに関心があり、その後の維持管理費は極力かけないという傾向があり、現状の京都会館の老朽化や機能不備な点は、それだけ維持管理費をかけて小規模な改善を積み重ねて来なかった過去の当然の帰結である。今回ロームの資金を建築費に前借りする形でスタートして 、自主事業などを充実させず、単なる貸し館として運営すれば、遠からず似たような状況に陥ってしまう可能性が高い。関係者や専門家を交えた透明性の高いプロセスによってホールの個性を充分に検討し、自主事業を充実させ、自主的な改善が積み重ねられるよう制度やスタッフを整えないと、良いホールが近隣に沢山出来ている今の社会状況の中では厳しいと思われる。
  • 6. 田舎に突然出来るホールみたいな「あれもこれも」を、風致地区にある建築に盛り込むことは社会性に欠ける。文化財や景観への配慮がない行為に、音楽やオペラを口実にして欲しくない。

Web署名もやってます。上とは別の趣旨の署名なので、お一人で両方どうぞ。