ドン・カルロ@メト2010(TV放送分)

DVD鑑賞メモ。ながら聴きレポなのでそのつもりで。手元に溜まった録画DVDをちょっと観てはパスして、結局これが引っ掛かった。作品は好きだし、馴染みもあるし、面子も良かったみたい。演奏は、これならいい。これくらいしてくれれば文句は言わない*1

演出は、あんま効果的だと思わないなあ。すごく駄目なわけじゃないけど、人の動かし方が、この演出家とは感覚が合わないみたいだ。

ポップちゃんは私はやっぱり好きだな。なんつうか、パーソナルな感じがすごくする。むしろ私は音だけ聴いた方がその感じが強い。6月も好感触だったんだけど当時の流れに水さすようで言えなかったので、この機会に白状しておこう。あんときは前半良くて後半音程がガタガタになったんだけど*2、それ差し引いても、こういう感じが全然ない人よりは聴きたい人だ。こういうのって素質であって、ない人はいつまで経ってもないから。

ただ、私がパーソナルな感じがすると思う人はみな、綺麗な声・よく出る声を聴きたい人にはウケが悪いので、好かれないのは必然かもね。

アラーニャが不思議で、私基準ではこの人全くの大根なんだけど*3 *4、他の歌手を気に入らないときこの理由で嫌いなパターンが多かったのでこのタイプは一律駄目なのかと思ってたら、何故かそうならない不思議なポジションだ。結局最後の最後は、相性なんかな。丸っこくて手足が短い子供っぽい体型で、少々不器用に動くとこも高ポイントだ*5

エボリは、この人、スカラのときも聴いた人だっけ?どうでもいい感じ。

修道士は、やっぱりないわー。特に2幕が、ないわー。大審問官も、なんだかな。救いは小姓の人で、アップで見てもいいな。

キーリーサイドは、うーむ、達者だけど、表現の仕方が、私がここならこうだろうと思うのとは、違う感覚の人みたいだ。これは意外や意外。保留。

フルラネットはさすがだ。しかし私はスカラ座の放送のときのが断然好きだ。自分があっちに慣れちゃったせいかなー。何が違うんかな(→気になってスカラのDVD観る→気になって○○観る→以下無限ループ)。

最後のカルロ5世が出てくるとこは一体何だったんだって終わり方だな。二幕も含めて、人間であることを強調した演出なんですかね。

全くどうでもいいことですが、サラセンの歌のとこで出てくる女官が、スカラ座は美人揃いなのに、メトは全然美人じゃない。しょぼーん。

*1:私は主役級の歌手が無名の歌手に代わっても気にしないけど(←有名歌手に対する期待が薄いので。面白いので野次馬はするが)、オケの準備不足は「金返せ」である。

*2:私の観た日は4幕がガタガタだったんだけど別の日に観た人によると5幕がガタガタだったそうで、安定しない人なのかも。全幕通して安定する日を待つ。

*3:なんつうか一定の様式(オペラティック・テノール様式?)に従っていつも同じように処理してるだけで、そのシーンに対して演劇的じゃないから大根なので、本当に突っ立って棒読みみたいな大根とは意味合いが違うのでご注意。

*4:だからティハチェク超ぴったり過ぎて笑えた。

*5:starbordは二枚目風に決まり過ぎると「ケッ」とか思って、ちと抜けてるとこがないと駄目というヒネクレた性格です。