スプリング・コンサート2012

帰国してお初の、そして今シーズン初のコンサートは京響のスプリング・コンサート。これここ2年ほどは(それ以前はよく知らない)TVドラマや映画やらのポピュラー選曲路線だったと思うのだが、今年は普通っぽい選曲になっていた。

2012年4月7日(土) 2:00pm
京都市交響楽団 スプリング・コンサート(チケット完売!)
指揮 広上 淳一
ヴァイオリン パヴェル・シュポルツル
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲op.46-1&op.46-3
ドヴォルザークユーモレスクop.101-7(with シュポルツル)
サラサーテツィゴイネルワイゼンop.20-1(with シュポルツル)
ベートーヴェン交響曲第7番イ長調op.92

実はコペンで自分の好みジャストのニュアンス演奏を聴き過ぎたので、聴きながら、こんなんしてると日本に帰ったらギャップがあるのでは?と心配していたのだが、全然不満なくすっと入れた。コペンの後に、オーデンセとかケルンとか聴いたからかなあ。ともあれ、地元のオケに満足出来るのは本当に幸せなことだ。

スラヴ舞曲1&3は、なんとも伸びやかでこの季節にぴったり。続くユーモレスクソリストに好印象。京都での京響ソリストとしては初のプラス評価である!祝!今シーズンは幸先がいい。明日も聴きに行くのだけど、これで安心。続くツィゴイネルワイゼンを聴きたくて(明日も行くのに)今日の公演に足を運んだのだけど、部分的には知ってたけど通して聴いたら、こりゃー派手だわ陶酔だわ、まるでメロドラマのBGMのよう。超笑える。全然クラシックじゃないみたい(笑)。あー面白かった。おっちゃんがソリストと色違いの赤いバンダナして舞台に現れて、派手な音楽に合わせてホームランを打ったり波動砲を撃ったりするので、どうしても笑ってしまう。そっか、今年はヤマトの演奏は止めて体で表現することにしたのかあ。

続くベートーベンの7番。私はこの曲の2楽章が大好きです。普段は、曲を録音で聴き込んで演奏会に足を運ぶ習慣なんて全くないライブ一発頼みの鑑賞スタイルなのですが(それでよくこんな適当なブログ書いてられるな>自分)(いやだって録音を聴き込む文化なんかごく最近のことじゃん?作曲当時の聴衆はみなそうしてたわけだから、特別なことじゃないってば)、そういうわけで今日はやたら聞き込んだ曲の実演に接する展開に。つまりいつもはしない「脳内標準からの差分」的な聴き方をしました。ううーん、凝ってる。私の知ってる演奏を1本の直線とするならば、その周囲にカリグラフィー的な跳ねが散りばめられながら線が進んでいく感じ。あの懲り方を全編に渡ってやってるのだとすると、それはすごい。

しかしこの2楽章に関しては、ある種のコンピュータ音楽のような(クラシックとしては亜流の)調子を保ちながら楽章全体に渡っての大きなうねりと緊張感を感じることの出来るシュンヴァントさんバージョンが好きです。「正しい神経症」的で「らしく」ありません?つーか、これ激しく揺さぶられまくりです。本能に直撃。生理的な反応で胸が苦しくなります。苦しいのに止められない。色々試したんだけど、これがクるんだよねえ。

本日は終楽章などは、そりゃギャグでしょう?つーくらい壊れたレコードしてて、そこでおっちゃんが餅撞いてて、撞くだけじゃなく返しもしてて、もう大満足。新シーズン初笑いをたっぷり堪能しました。今日は、個々の音が全く気にならない、リラックス体験の鑑賞になりました。