DKT来シーズン、個人的あーだこーだ

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まずは別件で行く予定の9月末にオペラがひとつでも観れるかが注目だったのですが、これはヘンデルメサイア(オラトリオ)の舞台上演が入ってますね。DKTのオラトリオの舞台化はDVDリリースされているアンチキリストも良かったので期待しましょう。

コンチェルト・コペンハーゲンのライブも初体験です。ソプラノがマリアで、メッゾがマグダラのマリアになっていますが、そうだったのかー。そういう観点からも注目です。Sine Bundgaardの日に当たるといいけど、メッゾはElisabeth Janssonでも結構いいな。

演出のDavid Freemanは、これまで主にイギリスで仕事してる人。DKTのUK化は嬉しくないなー。わざわざ日本から観に行くんだから、デン人スタッフにデン人キャストの上演が観たいよー。男声2人も知らない名前だが、テノールオトボケ系で好みの系統、バスは情報がないので新人起用なのかな。歌手はモルテンセンの引き合いだろうから安心しておくか。


マダム・バラフライは2009年に行って、とても良かった公演でした。レポを書けていないのですが、これまでのライブ・録音鑑賞含めて一番納得出来たバタフライの上演です。私はAnne Margrethe Dahlのバタフライが特にお気に入りです。機会のある方はご覧になることを是非お薦めします。


セミラミスは新制作ですね。タイトル・ロールはヘリオッテ・ボンデ=ハンセンで、他はDKTでは見かけない名前ですが、今YouTubeでさらっと聴いたら、男声が・・・。これだったらゲストじゃなくて自前アンサンブルから起用した方がいいのでは。なんでこんなキャスト組むんだろう(←君のグローバル・スタンダードに対する評価が低いだけ)。


利口な女狐は新制作で、原語ではなくデン語歌唱というのがイマドキ珍しいポイントかな。キャストはDKTお馴染みの面子で指揮者もデン人、演出の人はスペイン系かな。


カルメンは再演で、グラインドボーンでもやってる演出。演技が細かくDKTでやると映えそうな舞台です。視覚もキャストも安心出来そうなので、私も日程さえ会えば観たい演目です。指揮者がダブルキャストですが、そのひとりAlexander Priorは92年生まれ!写真なんて、まだ子供じゃん!ひょえー。指揮者でも演出家でも若手を積極的に起用してきたDKTの姿勢は応援したいけど、あんまり若いと、若者にチャンスを・・・じゃなくて、珍しいもの見たさになってしまうので、どうなんだろう。


ポーランドの珍しいオペラ「ルダンの悪魔」はamazon - ペンデレツキ:歌劇「ルダンの悪魔」 [DVD]によると「人間の欲望や残酷さ、宗教の負の面を衝撃的な音楽で赤裸々に描いています」ということで、さらにレビューを見ると私とかの好きそうな壊れた雰囲気ビシバシですが(つまり正統派のオペラファンは避けた方が良さそうな作品ですが)クリステンセンの出る今シーズンの演目はこれだけ、しかもメインのロールっぽいので注目。キャストはDKTアンサンブルにゲストも盛り沢山。あんましゲストはぱっとしないかな(←私の感想は国際知名度とは全く連動しておりません)。折角なら共同制作のポーランドの劇場からソリストが来たらいいのになあ。

残念ながら演出はKWですが、これは演目自体のエピソードが強烈なので、あの芸風でもそんなに気に触らないのではないかと思います。


プッチーニ3部作は、たぶんタンホイザー目当ての遠征で同時に観れそうなので期待大な演目です。新制作で演出は残念ながら外来系(ヴェネチア)。指揮はイタリア系とチェコ系のダブルで、主役のバリトンもダブル。他はDKTのキャスト。3部作だと色んな人が聴けて面白いというのはあるかも。


タンホイザーは、DVDリリースされたホルテン演出分。演出についてアナセンと話してきたのだけど、結構変わる余地があるみたいなので、それはそれで楽しみ。ステファン・ミリンのヘルマンがゲスト歌手になってしまっているのが残念!毎年DKT詣でする度に毎回必ず聴いてきた彼ですが、ヘルマンは彼のユーモラスな味がハマると思ってとても楽しみにしていたのに。ヴィヌスとエリザーベトがダブルキャストになってて、エリザーベトは一新、DVDではエリザーベトを歌ったキバーさんがヴィヌスを歌うのも注目ポイントです。指揮はRoland Boerで、オペラ指揮者ーって感じのキャリア。と思ったらこの人、今度のアルバート・ヘリングでも聴く予定だった。


DKTの今シーズンのフルのオペラは以上。後は企画ものだったり、巡回オペラの受け入れだったり。8本だから大分減ったかな。以前は10本以上あって、同時に3演目観れるのが当たり前だったから。ま、仕方無いですかね。いつ新劇場がリストラされるのかとビクビクしているのですが、まあ今シーズンも無事なようではあります。

個人的に残念なのが、新演出がみな外来系で、根っからのこの劇場らしい、デン人らしい微笑ましい人間観に満ちた舞台が、バタフライとタンホイザーだけになってしまったことですね。その分共同制作を入れて予算節約をしてる気配はあるのですが、今年は仕方無いのかもしれませんが、来シーズン以降は絶対復活して欲しいものです。