関西二期会ドイツ歌曲の流れvol.23@兵庫芸文

すっかり小ホールで声楽を聴くのが楽しみになって来て、今回も行って参りました。みなさんさすが安定してるというか、どなたもすっかり楽しめたのですが、私的に、今回特記しておきたいのは次のお3方。

まずこの方が目当てで足を運んだという竹田さん。シューマンの詩人の恋から6曲の抜粋。いやー。何度目か分からないけど、私やっぱりこの人好きだ。しかもこれはあれだ、あれだよアレ・・・恥ずかしいけど白状しちゃおう、テノール的な魅力にノックアウトって奴だ。実は私はテノール音痴で、みんながいいと言う歌手・芸風がよく思えなかったり、たぶん人が魅力に感じているのであろうポイントを逆に too much に感じてしまって No thank you って反応が出てしまうタイプの人間なのですが*1、それでなんでお前はオペラ・声楽ファンなんかやってんだって感じですが、自分でもつくづくそう思うのですが、それはさておき、今日私が感じたものはそういうものなんだと思う。・・・・・あー。これ書くだけで恥ずかしかった(←じゃあ書くなよ)。しかし今日は曲目のせいか、かつてなくそれが全開だったんだもん。とてもボーイッシュですよね。あとこれも何度目か知らないけど抜きのセンスが好きだ。なんか予期出来ない感じに、たぶんこっちが予期してるよりも過剰に抜くんですよ。そして、その場合は too much が気持ち良くなる。Ich grolle nicht とか思いっきり予期出来ない感じでやってた気がする。

  • R. Schumann: aus "Dichterliebe"
    • Im wunderschonen Monat Mai
    • Aus meinen Tranen spriesen
    • Der Rose, die Lilie, die Taube, die Sonne
    • Wenn ich in deine Augen seh'
    • Ich will meine Seele tauchen
    • Ich grolle nicht

あと、マーラーの In meines Vaters Garten を、とても表情豊かに幸せそうに歌ってくれた高島依子さん、R.ストラウスの Vier letzte Lieder から2曲の抜粋を、詩情たっぷりに聴かせてくれた津山和代さんがすごく印象に残りました。

番外編で、川下さんのヴォルフの選曲はとても面白いと思った。芝居っけたっぷりでオペラで聴いてみたい人だ。

ドイツ歌曲の流れ vol.23 『愛』〜その様々な形〜
2012年 6月9日(土) 18:00開演 兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院小ホール
岡田育世 島村侑子 高島依子 武村愛子
坪内由佳子 津山和代 松下悦子 嶋田友里恵
橋爪万里子 竹田昌弘 川下 登 小玉 晃
山ざき 享
ピアノ: 丸山勝次・小柳るみ

*1:だから誰にでも分かりやすい魅力がある超人気テノールに限って超苦手ということがよくある。