京響定期2012年7月

私は今年の3月は欠席しているので、久々に広上のおっちゃんの京響の回です。広上のおっちゃんといえば手品師のような完璧な立体感の音響ですが、前半は、いつもの水準と比べると、どうもこの暑さで一同バテ気味なのかなーという感が無きにしもあらず。聴き手がバテてその気分が投影していただけかもしれませんが。モーツァルト交響曲では、2楽章からの流れなど良かったと思いますが、この組合せが本当に良いときのカタルシスは得られず、ついつい「交響曲という様式の必然性は何だろうか」みたいな余計なことを考えてしまいます。私はモーツァルト交響曲って、なんか、ついそういうことを考えてしまうんですけど。なんか、交響曲でなくてもいいやん?みたいな感じがするんですよね、私にとっては、ですけど。

後半はぐっと調子が上がりました。大編成で、ステージの上一杯に広がって奏者が並び、小さなおっちゃんが振っている様子は、小柄なドライバーが大型のダンプカーを転がしてるみたいで、ちょっと面白かったです。いたずら者の一生を描くのにこんな大編成とは、なんて人騒がせないたずら者なんだ(笑)。この2曲は弦も非常に美しかったし(そりゃ薔薇騎士だから官能的でなくちゃね!)、各楽器のソロも、聴いててつい口元が猫みたいにニンマリしてしまう音色がいっぱい聴けて幸せでした。この日の演奏はCDリリースが予定されてるそうで、録音でも映える種類の演奏じゃないかと思うので、また楽しめそうです。おそらく録音には後半2曲が入るんじゃないかな。

http://www.kyoto-symphony.jp/concert/detail.php?id=170&y=2012&m=7
京都市交響楽団 第559回定期演奏会
7月20日(金)7:00 pm 京都コンサートホール
広上 淳一(常任指揮者)
R.シュトラウス:13管楽器のためのセレナード変ホ長調op.7
モーツァルト交響曲第36番ハ長調リンツ」K.425
R.シュトラウス交響詩ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」op.28
R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士組曲

ところで毎回パンフ見てて思うんだけど、今年度に入ってから、事務局の人をやたら整理してませんか。あんまし良くない筋の予感がするんだけど。というかこういう形で出てきてしまったというのは最終段階のような気もする。