京都会館解体見直しヘ意見書/工事迫るなか建築顕彰団体が提出@朝日新聞

朝日新聞 2012年8月22日
京都会館解体見直しヘ意見書
工事迫るなか建築顕彰団体が提出

 建築家前川国男が設計した京都市左京区京都会館(1960年完成)の第1ホールの建て替えを京都市が計画していることについて、国際的な建築顕彰団体DOCOMOMO(ドコモモ)日本支部はこのほど、「歴史的建造物として文化的価値を持ち続けるための十分な検討もない」として計画の見直しを求める意見書を市などに提出した。

 意見書では、ホールの建て替えが前提となって議論が進行した、と市の計画を批判。このままでは歴史的建造物としての価値が失われることや、一帯の景観が著しく変化するとして、9月にも予定されているホール解体の中止と計画の見直しを求めた。 

 計画をめぐっては、地元住民らが今月、門川大作京都市長を相手取り、建物の解体の差し止めを求める住民訴訟京都地裁に起こしている。 

 一方、京都会館の保存問題をめぐってシンポジウムを開催してきた「京都会館を大切にする会」と「京都会館再整備をじっくり考える会」は、26日午後1時半から同区の京都市国際交流会館(075・752・3010)で、4回目となる緊急シンポ「京都会館のより良き明日を考える---解体工事を目前に問題点を総括する」を開く。 

 パネリストは音楽評論家の日下部吉彦さんや建築家の本多友常さん、吉村篤ーさん、前田忠直さんら。司会は松隈洋京都工芸繊維大学教授。無料、当日先着順。問い合わせはメールで、kyotokaikan.taisetu@gmail.comへ。 (神田剛)