京都市議宛の意見書を送付しました

京都会館改修計画の見直しを訴えている3団体の合同名義で以下の内容の書面を京都市議宛に送付しています。本日は、市会の中で京都会館の担当である「くらし環境委員会」所属の議員に対する送付作業が終了しました。

京都市会議員 各位 様

 拝啓 日頃の市政へのご尽力に感謝申し上げます。
 この度、ユネスコの諮問機関であり、世界遺産の登録の審査やモニタリング(監視)活動を続けている国際記念物遺跡会議イコモス(ICOMOS,本部パリ)の「20世紀遺産に関する国際学術委員会」において、厳格で独立した審議による評価が行われた結果、シェリダン・バーグ委員長名で、門川大作京都市長に、添付のような「京都会館再整備基本設計に対する意見書」が提出され、現在京都市が予定している計画に対し、「遺産危機警告」の発令を予定していることが明らかにされました。この意見書では、以下の3点が明記されております。

  • 1. ユネスコの事業に影響力を持つイコモスが、現在の京都会館を「遺されるべき文化遺産」と認定したこと。
  • 2. 京都市の予定している改修計画は、文化遺産の価値を破壊するものであると認定したこと。
  • 3. 改修計画に対し、遺産危機警告(Heritage Alert)を発令する予定であること。

この警告が発令されるのは非常に稀な事態で、制度の創設以来2件しか発令されておらず、京都会館が3件目になります。意見書及びイコモスのサイト(http://icomos-isc20c.org/id3.html)の説明によると、今後、京都市の計画に対し警告が発令された事実と今後の経過に関する情報が関連機関に周知・共有され、イコモスの出版物やウェブサイトで世界に発信され続けるとのことです。これにより、今後のユネスコ関連事業において京都市が不利な取り扱いを受け、また、国際社会における京都市の文化イメージに悪影響を及ぼすことが懸念されます。
この意見書の趣旨をよくご理解いただき、本年度に予定されている第一ホールの解体を見送り、改修計画を見直す時間を設けられますよう、ご尽力頂きたく、お願い申し上げます。 敬具

  • 一、イコモス20世紀委員会 委員長 シェリダン・バーグ氏による意見書(日本語訳付)
  • 一、イコモス20世紀委員会のメンバーであり、ヘルシンキ都市計画局に所属するリィッタ・サラステ氏による意見書(日本語訳付)

以上