ロームについて私が知っていること

と言っても知ってることをなんでもペラペラ書く気は無く、あくまで京都会館の件に関することのみです。

  • ローム・ミュージック・ファンデーションは、京都会館の件にはノータッチである。「本社マターで介入することが出来ない」がファンデーションの責任ある立場の人の言葉。実際に命名権契約もファンデーションを介していない。
  • ここから私は、京都会館の件は、音楽ファンにはよく知られた例の名物会長の意思ではないと読んでいる。ファンデーションは会長の死後も音楽に対する支援が途切れないように考えられた体制であり、50年間という長期間の音楽支援の一環であればファンデーションを介入させないことは考えられない。また専門家集団であるファンデーションになんらの相談・助言もなくプランが決定している。
  • 反対運動で建築系などは放置される一方、音楽や舞台芸術系には強烈な(というか卑劣な)ブロックがかかるのも、そっち方面からの声を会長の耳に届かせないためであると考えると納得出来る。
  • 実際、プランが、ちょっとでも音楽について知っている人であれば、なんで?と思うような、バランスの悪い、意味のない、費用対効果の悪いものになっている。あのプランは、音楽のことを知ってる人が関わっていないことの証拠である。
  • 今回の件は現在の(会長退任後の)ロームのトップの独断で行われ、ローム社員も新聞報道で知ったような状況である。ローム本社内でこういった内容であれば知ってしかるべき、というかまさにそれが仕事である部門の長であっても新聞報道で知ったような状況である*1
  • というわけで私は、この件は、文化支援が目的でなく、他の利益供与や、あるいは犯罪行為へのお目こぼしなどの取り引きがあるのではないかと思っている。利益供与だったら一段落後に出てくるんじゃないかな。その後で騒ぎになっても取り返しのつかない解体以降などに。
  • そもそも私は、今回の計画の目的は京都会館の再整備事業そのものではなく、続く(特定の民間事業者などへの)規制緩和の露払いとしての意図でやっていることを疑っている。いきなり特定の民間事業を特別扱いということで出すと通しにくいからパブリックっぽく見える事例で前例を作っておくという狙いかと。同時に進められている都市計画の変更などと合わせて考えると、そこに今後の布石が見える気がする。という話をこの間書いた。
    http://www.jca.apc.org/jikkuri/docs/120826_Nishimoto_IssueList_KyotoKaikan.pdf

*1:もっとも、ロームというのは元々独断の風土がある会社なんだけど。