DKTとゲスト歌手

DKT(のオペラ部門)について贔屓歌手が出演したら行きたいというお声はちらほら頂くのですが、この劇場は主役級は自前アンサンブルで賄うのが基本で、ゲスト歌手の出演頻度は(今のオペラ界の常識からすると)非常に低く、スター歌手となると年に一人未満なので、おそらくゲストで決めると一生縁がないと思います。既に決まってる予算削減の影響で今後はもっと呼ばなくなるでしょうし。

ここのキャスティングは、まず自前のソリストアンサンブルから主要キャストを埋め、適当な人がいない/いるけど時期が合わない/再演で変化を付けたいなどの事情があるときにゲストを探します。そのゲストも、デンマーク国内や北欧諸国の若手〜中堅が多く、かなりのオペラ通であっても見慣れない名前ばかりでどれがゲストか分からないと思います(笑)。どっちかというと、将来のソリストアンサンブル候補者に機会を与える感じで、そのロールで国際的に活躍してる歌手を呼ぶという意識は希薄だと感じます。年に一人(未満)のスター歌手の場合も、話を聞くと、先になにか縁があってそういう展開になったから、とかそういうのが多いんですよね。頑張ってスターをキャスティングしようとか思ってる気配がない。

それに、アンバランスになってしまうので、私はDKTの公演で呼び物のゲストの出る日はお薦めしません。ここのいいところが無くなっちゃうので。あれは、それでもたまには毛色の変わったものを聴きたい地元の人向けだと思います。

公演の質の割に国際的な存在感が無いのは大物歌手が出ないからなんだろうなーとは思うのですが、そのままでいて欲しいファン心理だったりします。えーとつまり、他の劇場とは出演歌手に関する文化が全然違っていて、他の劇場みたいな感覚で、そのうちいい歌手が出るときに、とか思ってると、その日はたぶん来ないという(今後は特に)。近く(北欧〜ドイツ)まで行くときに、合間の日程で立ち寄ることをお薦めしたいです。