デンマーク王立劇場(DKT)のサブスクリプション制度

この自分で演目を選択出来るタイプのサブスクリプション（デンマーク語でもアボネメント、Abonnement）はDKTにもあって、私は毎年これを利用してサブスクライバーになっています。DKTの場合は6演目以上のセット購入をすることでサブスクライブして、一旦サブスクライバーになると、会員割引と先行販売の特典が受けられます。

DKTのサブスクリプションも度々迷走しましたが、トラブルの度に改善して、今では大変自由度の高い制度になっています。サブスクリプション受付期間中にオンラインのカートで6演目以上を同時購入すればサブスクライバー扱いとなり、その後はいつでも割引特典を受けられるようになります。座席も公演日も、自分で自由に指定出来るし、DKTはオペラ以外にバレエ、芝居、コンサートのいずれかは毎日行われていて組み合わせると短期滞在でも比較的簡単に6演目をパス出来るので、旅行者には大変有難い制度となっています。サブスクリプションのレギュラーシリーズの割引率は15％、自分で指定するタイプの場合は10％、追加の会員割引は10％です。サブスクリプションで購入したチケットは同演目の公演日変更を無料でしてもらえるので（公演2週間前まで）、なるべくサブスクリプションで購入しておいた方が安全です。

DKTでもうひとつ融通が効くのは、一旦購入したチケットの払い戻しこそないものの、手数料（50DKK＝750円くらい）を払ってチケットの交換が出来ることです。こちらの交換には条件は何もありません。少額の手数料さえ負担すれば、都合の悪くなったチケットはシーズン内に通用するバウチャーとして利用出来るので、先の予定が立たないからとサブスクライブを躊躇う理由が少ない制度設計となっています。

これだけ融通の効くサブスクリプション制度は、世界でも珍しいのではないでしょうか。