京都会館:解体工事住民訴訟 原告の請求棄却−−地裁判決/京都@毎日新聞

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京都会館:解体工事住民訴訟 原告の請求棄却−−地裁判決 /京都

毎日新聞 2013年03月22日 地方版

 京都会館第1ホール(京都市左京区)の解体工事で「貴重な歴史的・文化的価値が失われる」とし、文化財保護法や市の風致地区条例に違反するなどとして、市民112人が市を相手取り工事の差し止めを求めた住民訴訟の判決が21日、京都地裁であった。滝華聡之裁判長は「工事は市の裁量を逸脱したとはいえない」として請求を棄却した。

 市は、老朽化のため京都会館の再整備に着手。同ホールはいったん解体され、世界水準のオペラなど多様な演出ができるように一部の高さを約27メートルから約30メートルに引き上げる計画を進めている。

 判決は、京都会館について「(文化的に)高い評価を受けてきた」と認めたうえで、文化財保護法の規定について「訓示ないし努力義務を定めた規定」と指摘。市の対応については「建物価値の継承と機能向上という相克の中で、文化財的価値に一定の配慮をしている」と判断した。

 原告側は記者会見し「市は『建物価値継承委員会』を設置したが形だけ、実体的な配慮はされていない」と不満を述べた。【田辺佑介】

細かいことですが、全くどうでもよい枝葉の話ですが。いいですか、これは記事内容に比べたら細かい表現の話なんですよ。と前置きしておいて。

この『建物価値継承委員会』に対して「不満を述べた」原告とは私ですが、本人は不満を述べたつもりはなく記者からの質問に対して判決およびその背景の解説をしたつもりでしたが、思うことがいくつか。

  • 「原告は不満を述べた」じゃなくて、委員会の最終提言と判決文に書かれたことの事実関係についてちっとは調べて書いたらどうなのか。文書は簡単に手に入るわけだし。「誰それさんが○○と言いました」って、それ、間違いだったらそのまま垂れ流しちゃうんじゃないの。
    • 個々の記事について事実確認をしてる暇なんかなく、メディア全般で「誰それさんが○○と言いました」式の発信しかしてないからこの記事だけの問題じゃないって相場の問題かもしれないが、もう私はそれは相場だから勝手にのみこんで黙ってるって行動様式は止めたのだ。気になったらその都度言うのだ。
  • 「不満を述べた」って表記は、価値中立じゃないんじゃないの。「主張した」とかなら分かるけど。*1
  • いや私が自分から声明かなんかで一方的に述べたのなら、百歩譲って「不満を述べた」と言われても仕方ない状況もしれないが*2、自分から質問しておいて解説されたことを「不満を述べた」と言われても絶句するんですが。記者席の一同が眠そうだったから、オーバー寄りに喋った自覚は確かにあるけど。

*1:いや、なんでこうなっちゃうかはちょっと分かるよ。これ、「原告は記者会見の中で、判決を不服とし、その理由として○○を挙げた」あたりが正確なところなのを、縮めて、判決に対して不満であることと、その理由を一緒に短く書こうとするからこうなるんでしょう。でも、それは正しくない。いくら字数が無かろうが正しくないものは正しくない。これが常態化してるなら改めるべきだし、上記「主張した」など字数が少ない言い方は他にある。

*2:それでも私は「不満」だと主観的な意味合いが濃くなってしまうので、新聞記事としては不適切だと思うけど。「不服」あたりなら中立だと思うけど、それは法律用語に被ってしまうから司法記者は避けるのか。