ボリス予習7/音楽の版の違いを意識する
今回の予習のために聞いたのは、結局この3枚と、あとは歌手のアルバムの中に1曲単位で入ってるボリスのモノローグやらボリスの死の抜粋ちょぼちょぼという感じです。
- Mstislav Rostropovich
- Mussorgsky / Arr Lloyd-Jones : Boris Godunov [Highlights]
- Nicolai Ghiaurov [Bass], Wiener Philharmoniker [Orchestra], Herbert von Karajan [Conductor]
- Mussorgsky: Boris Godunov
- Bolshoi Theatre Orchestra, Nikolay Golovanov
- Mussorgsky: Boris Godunov [Digital Only,Re-mastered]
- これはamazonにないみたい。ジャケ写面白いから貼りたいのに。
で、断然Rostropovichのが好きなわけです。そして私の学習も進んで、版の違いを調べる段階に至りました。超簡単なBoris Godunovのオーケストレーションの歴史です。
- [1869] ソルムングスキーによる第1稿完成、上演拒否に遭う。
- [1872] ソルムングスキーによる第2稿(原ボリス)完成、再度上演拒否に遭う。部分上演では好評を博し、ピアノ版の出版を契約する。
- [1874] ソルムングスキーによるピアノ版刊行、全幕初演、好評を博す。
- [1881] ソルムングスキー死去。彼の仕事はリムスキー=コルサコフが管理することになる。
- [1896] リムスキー=コルサコフ改訂版完成、初演。
- [1908] リムスキー=コルサコフ改訂版(第2版)、これが以後定着する。
- [1928] ラム*1による原ボリスの全ての版の編集作業、モスクワにて原ボリス上演、好評を博す。
- [1959] ショスタコーヴィチ改訂版、上演されるもあまり根付かず。
- [1975] ロイド・ジョーンズ編纂による原ボリス出版。
ということは、"Arr Lloyd-Jones"は基本的には原ボリスということで、たまたま気に入って聴いていたものが今回の上演対象という、おそろしい偶然が起きたようです。
ついでに、これまたBoris予習の過程で偶然掘り当てたProkofievがめっちゃお気に入りです。リピしまくり。これどういう風に使われたのかめっちゃ気になります。調べるのは遠征から帰った後のお楽しみです。
- Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin / Michail Jurowski
- Prokofiev: Hamlet - Boris Godunov - Incidental Music