ボリス予習4-2/オペラブックスの解説から

オペラブックスの解説から、ボリス読みの際に参考になる情報の抜き出しです。

  • 一番重要な情報は、プーシキン、ソムルグスキー、そしてその元ネタのカラムジンの時代には、ロシア国内ではボリスの治世は否定的に評価されていたということです。
  • 現代の歴史評価ではボリスの皇子殺しは無かったし治世も悪くなかった*1とする見解が優勢で、これが意外と新しい話らしく、評価が反転したもんですからその是正をしようという意図が働くのか、ボリスを善き指導者とする描写が強調されていてですね、プーシキン初読のときにはすっかり引きずられてしまいました*2
  • それから、もうひとつなにげなく読み流していたけれど、ボリスが家柄としては全く辺境の出身であり成り上がり者であったという事実ですね。これ、実は大きな要素だったんですねえ。すっかり見逃してました。

これらを念頭に入れたプーシキン再解釈、書いてみたいと思います。

*1:悪いとされていたのは、その後に政権を執ったロマノフ朝プロパガンダのせい。

*2:しかし今の演出は当然今の歴史解釈を踏まえてますから、これはこれで知っておいた方がよい情報であります。