スカラ座ドン・カルロ初日レポート/2幕

1幕2場

女官達が大勢登場して舞台を埋め尽くして、人が舞台セット代わりのような華やかで豪華な光景です。テバルトが女官に甘える仕草がなんとも可愛い。ザジック・エボリのヴェールの歌で、やっと出た!CDクオリティ出たー!と思います。あれ?ということは、やっぱりここまではダメダメだったのかしら?

フリットリ・エリザベッタの登場。うん、この人は普通に美人だ。横顔のライン、あごから首筋が美しい舞台映えする美人だ。この時点では歌唱の印象が薄いかも?と思いつつ、次へ。カルロが登場して、フリットリ・エリザベッタとザージック・エボリが舞台の両袖で「もう倒れてしまいそう」「もしや彼は私に気があるのでは?」と演るシーンでは、申し訳ないと思いつつも、そのあまりに漫画的な光景に笑ってしまいました。エボリん、ごめんよ。あとカルロとエリザベッタのいちゃいちゃシーンが予習教材より長かったような?細かいことだが、カルロ君、悲恋の最中のプリンスが倒れるのにコテンはないよコテンは。それじゃ転がるアザラシだから。この2人のシーンはなんか歌いにくそうでした。これが噂のガッティ効果か?例の「父親を殺してから出直してきなさい」も、なんとなく流れてしまった感じ。その直後の(盛り上がりを意図して作られている筈の)音楽ともちぐはぐな印象が。むむむむむ。そして舞台から走り去る悲劇の王子カルロ君は相変らずコメディ走りです。

パペフィリポ登場。一声で引き締まります。しかし杖はちゃんと杖らしく使いなさい。完全に遊んじゃってます。また客席を凝視するしー。しかしハッチー*1みたいな格好させられちゃって。

王とロドリーゴのやり取り、期待していた「それは墓場の平和です!」があまり盛り上がらず、あっさり流れてしまったような。あれ?ここは思いっきり溜めながらジャーン!とやって欲しいよう。

2幕1場

噴水のシーン。カルロ君が相変らずコメディ走りです。これってコメディ?コメディ?実はカルロって狂言回し?悲劇の登場人物達の中心に狂言回しを配置した、そんなドラマだったの?*2 このシーンは元々あんま好きでないこともあって記憶が曖昧です。

2幕2場

またもや登場人物が舞台セットですーみたいな迫力構成の舞台です。結構ここで雰囲気に呑まれちゃいましたね、私は。呑まれてしまって、音楽の記憶も曖昧です。しかし王を讃える合唱のときに、王が頬杖付いて拗ねてるみたいな表情なのはどうしてなんでしょう。カルロとフランドルの使者が登場。ここのフランドルの合唱はすごく新鮮でインパクト強かったです。柔らかくてうねうねっとしてて微妙で。なんか貶してるみたいな表現ですが、そうじゃなくて、分かりやすく良かったー!という方向性じゃないけど、なんとも感情が刺激されちゃう感じ。

続く「お前達は不実であった」はちょっとオケが大き過ぎてかき消され気味だったかな、残念。しかしここ、パーペはやっぱり朗々と迷い無くやってましたね。この後のカルロが剣を抜いてロドリーゴが静止するときの「ポーザ・・・」って合唱の入りがすごく好きなんですが、やっぱりあっさり流されてしまった。いや、これは予習素材と比べ過ぎなんでしょうね。

予習素材と比べちゃうといえば、違ってて駄目なことも、違ってて新鮮で良いこともあるのはどうしてでしょうね。予習素材を知らなくても快・不快は一緒なんですかね、これって。そんなこんなで次回に続きます。

スカラ座ドン・カルロレポシリーズ
初日 全体編 1幕1場 2幕 3〜4幕 15日 余韻編

*1:みつばちハッチー。

*2:しつこいですstarboardさん。