オペラを減らして、リートに注力します(1)
もうあちこちで話題になっているのでご存知の方も多いでしょうが、パーペが今年初夏のサンクトペテルブルク白夜祭に出演した際に受けたインタビューの内容が波紋を呼んでいます。
- 原文(ロシア語)http://www.classicmus.ru/Pape.html (09/09/04付の記事)
- Google翻訳による翻訳結果*1
- このインタビューがブレイクするきっかけとなった英語による紹介 (09/09/13付)
今回は内容が内容なんで、ほぼ全訳を試みてみます。写真もすごい微妙な表情ですので、原文読む気が無くても是非アクセスしてみてください。
- 毎年この街で会えれば光栄です。この街をどう思いますか?
- 街も人も好きだし、ゲルギエフとの共演は素晴らしかったよ。毎年招待してもらえば嬉しいね。
- ソロアルバムについて教えてください。これがあなたのレパートリーの完成像?
- これが私のレパートリーです。20年のキャリアをこのようにまとめることが出来て嬉しく思っています。でもマリンスキー劇場のCDショップの棚にも無いのはがっかりしたね。みんなが簡単に買えるようにして欲しいよ、超有名歌手のアルバムばかりでなく。
- たしかにこのディスクを見つけるのは難しいです。私はドレスデンで買いました。ルビテンシュタインのデーモンから2つのアリアが選ばれているのには驚きました。全く素晴らしい仕上がりで、フレーズも音声もパーフェクトです。どうしてこのアリアをレパートリーにしようと思ったのですか?ドイツ人歌手としては珍しいことでは?
- このディスクはジョージ・ロンドンのソロアルバムを参考にしていて、彼がこのアリアを取り上げていました。なんて美しい音楽なんだと思いましたよ!多くのロシア人同業者からも勧められました。友人のホロストスキーからも。彼もこのアリアを歌っていて、ブレーシングを強調していますが、私は違うアプローチをしました。ドイツ人であることは問題にはならなかったと思います。
- 全幕では歌わないんですか?
- まだ今はね。なかなか上演されないしね。ロシアでさえもね。
- ボーイトのメフィストフィーレは?このディスクにありますが?
- 計画はしてます。
- 他にどんなプランがありますか?
- もう20年ずっとオペラの舞台にいました。今はリートに注力したいと思っています。今後2年間は頻繁にオペラに出るでしょう。でもその後はストップします。
- もうあなたのオペラを見れないのですか?
- 見れますよ、年に1〜2作は出演するつもりです。
- 何故そのようなことを?
- 長年オペラばかりだったので、変えたいと思っています。室内楽と、それから人生の他のことにも目を向けたいです。
- すごく興味深いお話ですが、残念です。
- 何故?年に1〜2回は外国公演もするし、オペラだって聴けますよ。ただ室内楽や他のことに注力したいんです。
- これまで歌ってきた中で、一番のフェイバリットは?
- いつでもそのとき歌っているものがフェイバリットです。今はパルジファルのグルネマンツ。次はメンデルスゾーンのSt. Paulで、その後はヴェルディのレクイエム。
- 他にあなたの興味を引くものは?さっき人生の他のことって仰いましたよね?
- ずっと音楽とオペラに時間を捧げてきました。今は、文学、文化全般、歴史に興味が向いています。成長したいし、高めあいたい。
- とても興味深いお話です!文学はどんなジャンルに興味がありますか?
- ロシア文学に、とても。
- ロシア語を習ったそうですね。しゃべれますか?
- 学校で学びました。喋れないけど、読めます。歴史にも惹かれていて、もっともっと知りたい。ドイツやヨーロッパの歴史だけでなく、アラブやアジアも。オペラに20年間を捧げましたから、この後の20年は別のことをしたいし、他の世界に参加したいです。
- 学生時代は反抗家だったって読みましたよ。まだその傾向が残っていますか?これは反抗のはじまり?
- その通り。まだ残ってるけど、そんな分かりやすく見せたりはしません。私は従順なティーンエイジャーではなかった。社会主義の時代に青春を送ったし、ビッグブラザーのロシアがいて、いつも反抗してた。ロシアという国に対してではなく、共産主義者に対してね。音楽の世界に移っても、ずっと何か言いたかったし・・・・(ちょっとここは難しい。略します。)
長くなったので、続きは明日以降に。みなさんにとって一番興味のある部分はもう訳したと思います。続き