スカラ座ドン・カルロ テレビ放送レポ(1)
またもや「観てる間のstarboardの脳内垂れ流し」レポ*1、行ってみたいと思います。今回はNHKで放送分のスカラ座ドン・カルロ@スカラ座本拠地収録分です。日本公演の話題が随所に出てくるので、そちら未読の方は併せてどうぞ*2。
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/crs/crs-2009-09.html
2009年 9月7日 (月) 01:00〜04:10 NHK BS2 クラシック ロイヤル シート
ミラノ・スカラ座 歌劇「ドン・カルロ」( ヴェルディ )フィリッポ二世 (スペイン王) :フェルッチオ・フルラネット
ドン・カルロ (スペイン皇太子) :ステュアート・ニール
ロドリーゴ (ポーザ侯爵) :ダリボール・イェニス
宗教裁判長 :アナトーリ・コチェルガ
修道士 : ディオゲネス・ランデス
エリザベッタ・ディ・ヴァロア :フィオレンツァ・チェドリンス
エボリ公女 :ドローラ・ザージック
合 唱 : ミラノ・スカラ座合唱団
管弦楽 : ミラノ・スカラ座管弦楽団
指 揮 : ダニエレ・ガッティ
演 出 : シュテファン・ブラウンシュヴァイク (新演出)
[ 収録: 2008年12月7日, ミラノ スカラ座 ]
1幕1場
一音目、やっぱりいい。この瞬間に入り込めちゃうんだよね。いつも聴いてるディスクではここ濁って聴こえるんだもん。修道士はこの間の人じゃないのか。あれをもう一度聴きたかったのだが。
ニール、太ってるのは許す。しかし、いくらなんでもその棒立ちはなんだ。カルロ君*3はコメディでも走ってたぞ。あーあ、座るときも「よっこいしょ」だし。ニールは声はよく出てるんだがなあ。歌の表情の付け方も悪くないし。この表情が付けられる人が、なんで体の動かし方は全然駄目なんだろう。共通するものがあると思うのだが。
ちびカルロが違う子だ。あのくるくる巻き毛っ子はカルロ君専用だったのか。ニールも巻き毛なのに。ちびエリザベッタも違う子だ。この子は偶然じゃなければ大物だ。先が楽しみだが、もう一度見る機会があるのだろうか。
イエニス・ロドリーゴは悪くないな。生よりは楽に歌ってるように聴こえる。しかしニールは足を一歩動かすのもたどたどしいぞ。大きな子供みたい。重心が安定しないほど太っちゃいかんて。あー今頃気がついた。イエニスは身のこなしが上手いんだ。決まってる。イエニスみたいに普通に歩けばいいじゃないって>自分。しかしやっぱり舞台人には、これくらい求めてもいいと思うんだ。普通のその辺の太ってる人に「決まってる」を求めたら酷だけど、舞台人なんだもの。
1幕2場
やっぱりオケの出だしの音はいいと思う。伯爵夫人役の人はオペラ規格外*4の美人。自己陶酔も上手い*5。カメラが貼り付き過ぎで、こっちが照れるわ。ザージック・エボリ、出だしはちょっとしんどそう。あれ、なんか女性陣がちょっと冷ややかに見てる感じの演出だな。ライブで観たときは、この場面はひたすら華やかで楽しい場面だと思ってた。ヴェールの歌は、2番目くらいから調子が出てきた。でもライブのときと何かが違う。もっとスリリングでドライブ感があった。
チェドリンス・エリザベッタ、独白と手紙の読み上げの部分で早速フリットリのすごさを確認する結果に(日本公演のビデオが欲しいよ)。なんかこの人、ドスが入っちゃってるんですけど。
カルロ萌えを歌うロドリーゴ。いや君の目はおかしいから。イエニス、歌いだしはいいのに途中でずっこける癖が。
ぶすっとニール登場。声は綺麗ですね。寝転ぶ瞬間は見事にカメラが暗転してます。暗転後、ここにもアザラシ・・・・いやトドが。こうなるとアザラシがエレガントに思えてしまう*6。棒立ちで「ああ私は呪われている!」そしてスタスタ退場。それはないだろニール。カルロ君のコメディ走りが懐かしいよ。
「王妃よ、何故一人なのか?」フルラネット王の登場です。入りが早くないか。フルラネットのS字を伸ばして横にしたような目は、これはメイクなのか?垂れ目の目じりが上がったような目。日本の玩具にこういうのあるよな。この目で横目で睨まれると陰険感たっぷりで効果的だけど。どうでもいいがフルラネットはハッチーに見えないな。何故?やっぱりあの丸さが原因なのか。
チェドリンスの「私まで赤面してしまうような」ここで王を見るのは品が無いし、ドスが入っちゃってるよ。なんでこうなのー。
ロドリーゴと2人になって、フランドルの名前が出ると「その話は・・・・!」と慌てて逃げる王。ラパーチャのところ、ここは溜めがもっと欲しいよお>ガッティ。ここで紗幕が開く。この演出あったっけ?その後ロドリーゴが追いかけて、フルラネットの王は本気で逃げて、ロドリーゴが立ち塞がる。ロド、本当に夢想家だなあ。前はこういう感じじゃなかった。カメラアングルのせい?フルラネットのアクションのせい?パペフィリポが「またその話か(うんざりだ)」って感じで不遜に構えてたのとはえらい違いだ。
まだ続く鬼ごっこ。逃げるフルラネット。理想を語るロド。かぶりを振る王。ちゃんと年を感じさせるアクションです。パーペはここ、背筋を伸ばして、頭を後ろに反らしてアゴを上げて見下すような目線のお得意のポーズなんだよな。それじゃ若いわ。そもそも声が若いんだけどさ。あーパペフィリポ見たーい!駄目出ししつつも見たくなっちゃうのがパーペなんだって。日本公演のビデオ出せー!*7
「この手にある死は、確かな未来をもたらすのだ」ドアップ。あーやっぱこの人は細かい演技してるわ。下唇が若々しくてドキっとする。
「王は聞かなかったことにする」のロドリーゴは、しゅんとして尻尾の垂れた犬みたいで可愛いぞ。きっと毛足の長い耳の垂れた犬種だね。
イエニスロド、「思いもかけなかった曙光が見えた」いい滑り出しだと思ったのに、その次がなんか駄目だ。珍しい人だな。逆ならよくあるし、しかも逆の方が好印象だろうに。
おまけ
フィリッポ2世つながりということで、なんとも魅力的な舞台写真のニュースを紹介。
http://www.playbillarts.com/features/article/8170.html
ちびフィリポ&エリザベスもいいが、しかし本命は、あの首のまわりの輪っかに邪魔されるラブシーンだろう。これ名前なんていうの?