NHK音楽祭ヴェルレク/スカラ座日本公演(前半)

この放送、やっと見ることが出来ました。ライブを聴いて、さらに録音を聴くというのは初めての経験です。ライブのレポはこちらです。

収録:2009年9月10日(木)19:00〜 NHKホール
放送:2009年9月28日 (月) 01:00〜04:00 NHK BS2
ミラノ・スカラ座管弦楽団
ダニエル・バレンボイム指揮
ソプラノ:バルバラ・フリットリ
メゾ・ソプラノ:エカテリーナ・グバノワ
テノールヨハン・ボータ
バス:ルネ・パーペ

実はライブ鑑賞以前は、ライブの印象を温存したままこの放送に臨んで色々比較をするつもりでいたのですが、実際いつものパターン*1だったら、ライブ後は音楽の印象を上書きしないように温存しておきたく、同種の音楽の録音を聴くのをしばらく避けるところですが、今回は新譜の発売があったのと、これがまた超私好みだったもんですから、つい聴きまくって、すっかりこの放送までに私の耳はパッパーノ色に染め上げられておりました。以下のレポはその前提でお読みください。では本日も時系列で脳内たれ流しでお送りします。


まずRequiem Aeternam導入部。あれ?これヴェルレクだよね?予想外に音が大きい?こんなだったかな。ひょっとして放送用にレンジ狭めたりしてる?そんなんありえないか。いや、これが大きく感じるのはパッパーノ盤の影響か?ここでこの大きさだとDies Ireaで耳がマズいことになると、慌ててボリュームダウンする私。

あら。でも正面から見るバレンちゃんはちょっと素敵ね*2

続く合唱の入りも意外とはっきり、そして男声合唱の入ってくるところも、思いの外穏やかです。まだパッパーノ盤の影響から抜けられないようです。

Kyrie Eleison。ボータ、記憶と違う。ライブの印象よりも細く感じる。パーペはそのまま。フリットリも記憶より線が細い。グバノワさんは、ごめん、記憶にないわ。この声聞いたんですよね?私。大丈夫か、こんな奴がレポ書いてていいのか。

音量レンジの件は、実は、ライブではもちろんはっきり聴こえていたわけですが、生で聴いてるとかなり小さい音でもくっきりはっきり聴こえるので、つまり印象としては大きく感じがちなので、録音になると記憶よりかなり小さくなることを予想していたのです。この脳内予想補正をかけ過ぎたのか?と、この時点では思いました。


いよいよDies Irie.... あ、なんだ全然ボリューム抑える必要なかったわ。このヘッドホンだと低音強調されてる筈なのに*3これ?テンポ、申し訳ないが、パッパーノに馴染んでしまった後ではここヌルく感じちゃうわ。まあ、あれ聴く前はすごいと思ったカラヤン(1967)でも、パッパーノ(2009)の後だとこの部分ヌルく感じたからなあ。これは、パッパーノの方が異色であって、それを基準にするのは偏り過ぎなんだろうなあ。

つまりレンジは本当にこれでファイナルアンサー?放送用にレンジいじってる疑惑浮上。


Tuba Mirum、これが噂のバンダ隊ですか。この音の配置はあまり効果的だと思わないなあ。もっと解像度高いシステムで聴かないと分かんないけど。でもこれもライブで聴いたときは違和感無かった。特に効果的だとも思わなかったけど。私の席からはオーケストラが殆ど見えていなかったので、視覚効果込みだとまた違うのかもしれない。


Mors .... 概ね記憶通り。そして安定してる。え?3回目のmors立派に拾えてるじゃないですか。ほぼ記憶通り。よく再現出来てる。これで不満だと技術の人困っちゃうよ。もしかしたら2階席の方がこの弱音はよく響いてたとか?

ちなみに後で同じ再生環境で確認してみましたが、パッパーノ盤でも同じくらい、若干NHKの方が3回目が小さいかなというレンジでした(3回分のmorsの相対音量比較 by 耳評価)。パッパーノの方がよく聴こえると思った人は、たぶん(オーディオ専用機とテレビの)再生環境の違いが大きいと思うので、一度同じ環境で聴き比べしてみるとよいと思う。


そろそろ息切れしてきたので飛ばして、続くソロパート。ボータはやっぱりライブの印象より細いな。もっと通る感じだった。

全然関係ないことを書くけど、グバノワさんは予想より美人だわ。地味だけど目立つ欠点がない顔。プロフィール写真が一番写りがよくて実際見ると・・・・なのかと思ってたけど違ったわ。だってプロフ写真がいかにもそういう雰囲気だったんだもん。何が言いたいかっつーと、彼女のエージェントはちゃんと彼女の良さが伝わる写真をピックアップしてくださいよ。

Ingemisco、やっぱり前と同じ評価。歌としてはちゃんとしてるんだけど、ドラマチックが欲しい。あと息継ぎ入れる箇所がちょっと気になる。ちょっとだけね。でも基本的にはちゃんとしてて、贅沢系の要求です。

Confutatis、あ、ヤギヒゲじゃない。下唇の直下のとこ、ドン・カルロ用に剃られちゃったの?(感想はそれだけかい。)

ボータもパーペも、ある節に入るとこが、かすかに早いと思った箇所が複数あった。2人とも複数回あるってことは、これは指揮者のせいなのかな?演奏のテンポ自体に違和感はなくて、ソリストが焦ったみたいに見えたけど。

2回目のDies Irie。やっぱりレンジいじったやろー50%、当日もこんなもんだったかな50%*4。テレビにヘッドホンでは判断出来ないので保留して、いつもの再生環境に持って行って聴いてみてレポします。


殆ど音量の話ばかりしている前半レポでした。後半は分けてアップします。

*1:というほどライブ経験豊富なわけではありませんが。

*2:ちゃん付けかよ!

*3:このときはKoss使ってました。こういうものを聴くのはNGだと思いつつ、その辺にあったのでつい。

*4:それが前半ノれない理由だった?