苦手な録音
今年の積み残しといえば、こんなディスクがありました。
Mahler: Symphony No. 8 Colin Davis |
一旦聴き始めてみたものの、なにか録音がバラバラで耐えられなくて、早々に聴くのを中断してしまったディスクです。なんでも褒めてるように見えるstarboardですが、私にだって、こういうディスクくらいあるんですよ。年内に片付けておこうと、本日再チャレンジしてみました。まず聴き始めの印象は、なんじゃこらー!
言ってみれば、言ってみれば、音が整ってない。てんでバラバラ。マルチ録音して適当に再生しましたみたいな。これミキシング作業開始前の一番最初の段階だよねみたいな。エンジニア仕事しろ。つーかそういうレベルじゃないだろこれ。うっかり間違って完成品じゃないトラックがプレスに回っちゃったんじゃないですか。そんなバカな!
ひょっとしてうちの機器が狂ったのかと、別のディスクで確認するも、正常です。謎は深まる。
しかし2回目ですから、我慢して注意深く聴いてみます。まず全然定位感がない。通常は目の前でオケが演奏しているように感じられ、どの楽器がどの位置にいて、ソリストや合唱の配置まで見えるいるかのように分かるのが当たり前と化しているのですが、もはや当たり前過ぎてそうでない音源を再生したときくらいしかこのことを意識しないのですが、このディスクをかけるとその状態の有難味を思い知らされます。本日は、巨大な塗り壁みたいなスピーカーが目の前にあって、そこから音が出ているみたいです。スピーカーで新たなスピーカーを作っちゃってるよ。全然演奏者の存在が感じられない。つーかどーやったらこんなことが出来るのかこっちが聞きたい。小一時間問い詰めたい。なんじゃこりゃー!です。
さっきマスタリングに原因があるんじゃないかとうっかり口走りましたが、こうなってくるともう何に原因があるのかさっぱり不明です。クラシックは、ミキシングやマスタリング作業で何らかの効果をオンしようなんてことは考えず、ホールで聴いている感覚を忠実に再現する世界だと思っているのですが、そうすると、本当にこういう演奏だった?全部が全部じゃないだろうけど、一部は演奏に原因がある?・・・・これが「いい」って人がいる?
次に疑ったのは、Hybrid SACDのCD-DA録音が原因では?ということです。SACD(Super Audio CD)ってのは通常のCD(CD-DA)よりも容量が大きくて情報がいっぱい入る規格のことで、再生にはSACD対応プレイヤーが必要です。HybridというのはCD用の情報とSACD用の情報が両方入ってて、通常のCDプレイヤーでも再生出来るよってことです*1。この音源は通常のCDとSACDの両方がリリースされてますが、私が購入しようと思った時点では通常盤は中古市場経由だったし、その後出たSACDならリマスタリングされてるだろうから当然そっちでしょと思って、SACDプレイヤー持ってないにも関わらず、CD-DA録音を聴くためにSACDを購入しました。
余談ですがSACDといえば、SACDが出始めたばかりの頃に仲間うちで試聴してもさっぱりピンと来ないわ評判も良くないわで、データとしては差があるのかもしれないが自分の耳でも他多数の耳でも分からんし意味無しと結論を出して、以降無視してました。その頃聴いてたジャンル的にSACDでリリースされる音源とかまず無かったしね。今回ついうっかり購入してしまったのは、クラシックではSACDのリリースがそれなりにあることに気付いて、生き残ったのならそれなりに意味があるのではないか、もしかしたら技術的にも運用的にもこなれてきて今聴くといいのかもと期待半分、これ持って試聴ルームでも行ってみるかとスケベ心を出していたところでした。
話を戻して。まさか、Hybrid SACD買った消費者にやっぱSACDでないと駄目だと思わせるためにHybridで入ってる通常CD用のソースが糞なのか?しかしこれはいくらなんでも酷すぎだろう。こんなことしてたら愛想をつかされるよ。いや待て、まだ原因がHybrid SACDにあると決まったわけじゃない、やはり通常盤と聴き比べて確認しないと。えー?またこれ買うのー?いくらなんでも馬鹿じゃん。気に入った音源ならともかく、なにが悲しゅうて、よりによってこれをもう一枚買うのよ。付き合ってらんないわ。と一人漫才をしてみましたが、むなしかったです(ひゅるる〜〜)。
そこで読者様にお願いです!きっとこのディスクの通常盤を持ってる読者様がいる筈。通常盤で変なことが無かったか教えてくださいませんか?また、SACD盤を持ってる方*2、これのCD-DA録音おかしくありませんでしたか?ご協力お願いします。
SACD[Hybrid] | 通常盤 |
amazonをチェックしてみて興味深かったのが、SACDの方にレビューが3つあって、そのうちの2つが録音を褒めていて、特にうち1つは大絶賛で、残り1つが録音を糞味噌に貶すという組合せなのでした。いくらSACDとはいえ録音に言及し過ぎだろう。これは・・・・!ひょっとして!調整が難しいけど、うまく調整出来たら至福のディスクなのか?レコード演奏家にならないと味わえない至福があるのか?しかしここまで大幅に違うとなると、かなり問題だろうこれは。通常セッティングでもそこそこ聴けるけど、もっと演奏のポテンシャルを引き出し味わい尽すために、ディスク毎に個別の調整を行うってのが、私の知ってる世界だ。通常セッティングで全く聴けない録音なんて、あっていいのか?
ちなみに調整でなんとかなるのかと、さらっといじってはみたんですが、ちょっとどうこうなる気がしなかったです。
追記
解決しました。必ず次の日のエントリとセットでお読みください。