自分で自分が分からない/コペンハーゲン・リング音楽編(1)

はああーーー(←何かを反芻中)。

この1ヶ月は、外から見たら何もないんですけど、自分の感覚の中では本当にいろんなことがありました。主にコペハンリング絡みで。こんないい思いさせてもらっていいのかしらん。もうね、目の前にホルテンとかシュンヴァント氏がいたら、有難う!有難う!本当に有難う!と言いながら抱きついてチュッチュッてしてますね(←漫画的表現)。ワグナーにもしちゃうね。おおあぶない、本当にやってしまったら変質者として警察に突き出されるところだった。地理的にも時代的にも隔てられてて良かった(どっちやねん)。まあそんくらい感謝感激雨あられなわけですよ。


いろいろあり過ぎてまとまらないんですけど、何が起こったか書いておこうと思います。

最初から、そんなに感激したーってたわけじゃないんです。なんかこれ一気に見れるーって思って夢中で観てて。本当に最初はオペラを観た気が全然しなくて、台詞とかで展開していく普通のドラマ、しかもめっちゃ面白くてハラハラドキドキなのを観た後と錯覚しそうな勢いで。それってオペラとしてはいいの?オペラである必要なくね?ってことになりそうだけど、私にとってはいいことなんですよ。「ああ歌が上手いなあ」「低音がどーした高音がどーした」「この安定感はなかなか」「いまの管がどうのこうの」って経由せずに、ダイレクトに入り込めてるってことだから。すごくいい状態なんです。言葉に喩えると、外国語を母国語を経由せずにそのまま理解してるようなバランスなわけで。

とにかく、引き込まれた。そして、音楽を聴いてるんだけど、音楽を聴いていることを意識せずに、ドラマに入り込んでいる。こんな状態があっていいのかと思いましたよ。そして、なんか思い出しちゃって、また聴いちゃう。

で、繰り返し聴くと、どんどん聴き込み効果が発揮されて、より強く、どわーっと反応するようになるんですよ。聴き込めば聴き込むほど。これ、何が起こってるんでしょうね。音楽を音楽と意識して聴けたのはこの聴き込みの段階からです。

なんでこんなことが起きるんでしょう。これまで聴いてきた他の音源と何が違うんでしょう。なにか普遍的なものがあるのか、それとも相性なのか、タイミングなのか。そして何が決定的だったんだろう。曲なのか、演奏なのか、歌手なのか、それとも視覚を含めたあらゆるものだろうか。私にとっての特別ってなんだろう。何故今これだったんだろう?

ああでも、つくづく自覚したんですけど、私にとっていい音楽・・・・いい音楽って表現がよくないかな。求めてる音楽って、この状態なんですよ。音楽であることを感じさせない音楽。禅問答じみてるけど。

(2)に続きます。