感覚の話

新年恒例(?)ネガティブ・フィードバック

ブログを更新していない間もいろいろ鑑賞してはいるのですが、どうも外に向けるのが怖くなってしまって、ネガティブ・フィードバックに入ってしまって、勝手に落ち込んではいじけて内向きにブツブツと脳内で転がしている日々です。これをやってるといつまで…

「現代音楽が分からない」が分からない

Twitterで流行っていた(?)話題。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1348928258 シェーンベルク、武満徹、メシアン等を聴くと気がおかしくなりそうです。 彼女が無調・現代音楽が好きなので、薦められて聴いてるのですが、どうし…

苦しいこと

こんだけ長く間が空いたことからお分かりかと思いますが、また自分の感覚に自信がなくなって書けなくなってました。そのときどきに吐き出していかないと、その後にまた別のものを見聞きして評価が変わったりあやふやになったり言及するのがややこしくなった…

私は音楽がわからない

ある日、武満botが非常に引っ掛かる一言を呟いていた。 http://twitter.com/#!/TAKEMITSU_bot/status/197106201325080576 武満徹 (Toru Takemitsu) @TAKEMITSU_bot さて、私が奇異に感じるのは、かなり知的な人の「私は全く音楽がわからない」という言葉です…

ところで私がメジャー系と相性が良くないのは

10人中8人がキャッチするくらい明らかに分かりやすく表現されていると「過剰」と感じてしまう性質があるからなんです。だから世の演技派(と広く一般に認められている人々)が駄目だったり。と、マリア・カラスの蝶々さんを聴きながら思った。それで、平坦 →…

オペラの魅力って

それで、上の記事を作るときのやり取りで、私にとってもとても考えさせられることがあって、それを書き残しておこうと思います。それは「オペラの魅力を一言で言うと」という問いでした。これ、読者のみなさんもちょっと考えてみて、そして、よかったらあな…

ねじの回転

当日券があったら行こうと思っています。が、金曜の公演の時点で既に当日には在学生立見券しかなかったらしいので、日曜は無理かなあ。 http://www.mikako-soprano.com/neji2011.html □ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団第48回定期演奏会 20世紀オペラシリ…

喝采とブーイングの間で

みなさん、満場のブーイングって体験したことありますか?私はあります。そして、それが、演出でも主催者に対するものでもなく、全幕歌いきった歌手に対するものだったら・・・? さて、本日は上海にリングを観に行ってから、はじめてアナセンのパフォーマン…

自分の苦手ポイント再確認

今回の件がきっかけでYouTubeを漁って確認してみたのだが、フローレス、思いっきり私の苦手ポイントにドンピシャの人やった*1。今回アルベロ君で良かった。でないとみんなが喜んでる中で、一人渋い顔をせなあかんところだった。しかし、この苦手ポイントは一…

「歌」を語る−神経科学から見た音楽・脳・思考・文化−

私はある音楽/演奏の客観的評価なんてものには全く興味がないが*1、自分が何をどう感じるのか、それは何故か*2、それが他人とずれているのは何故か、集団としての他人が何をどう感じるのか*3ということは気になって仕方がない人間であり、そんな興味から手…

幸福のヴェール

今朝目が覚めたら、ものすごい幸福感の中にいて、まるで幸福感のヴェールに包まれているみたいで、今回、本当に聴きに来て良かった*1この感覚は本当に不思議で、なんでこんなことが起こるのか自分でも全く分かりません。心がほわーっとなってて、幸福感でい…

理解と感動と直感とコンプレックス(1)

書きたいことは諸々あれど、わが時間楽にならざり。じっと手を見る。じゃなくて。時事ネタ(←自分的に)を放り出して、急に古いネタに手を出してみたりする。これもずっと書きたかったけど醗酵しつつある話題。実は近日中に書きたいことの布石であったりする…

音楽との出会い方

この日のテーマですが、ある曲・作曲家にハマるかハマらないかって、演奏にもよると強く思うんですよ。それで膨大にあるリソースからどうやってそういう演奏にアクセスするかですが、私は誰かが聴いて面白いと思ったものってヒット率高いと思ってます。それ…

パルジファル予習その後

結局パルジファルの予習が盛り下がったままだったので、観念して、今はまだ聴かないつもりだった秘蔵音源をおろして聴いてしまった。そしたらなんか、なんとも熱が出たままというか、熱があるときみたいにダルくて茹だっててひたすら眠いような感じになって…

私と新しい音楽の出会い方@声楽編

私と新しい演目(曲目)との付き合い方って、こんな感じ。 新しい演目(曲目)に手を出そうと思う or 予習などのために聴く必要に駆られる。 いくつか音源を揃える*1。 (私にとっての)粗が気になって最後まで聞き通せない。or (私にとっての)決定的に気…

私の青春を返して!(じゃなくて私のvirgin earを返して!)

ついでにチラっとメモ。アナセンの歌曲集を聴いて以来、久々にマティアス・ヘーゼゴー君を聴いたら、なんかヘニング・ヤンセン@上の聖愚者のおにーちゃんに聴こえて仕方なかった。前は全くそう思わなかったのになあ。人間の耳なんか、いい加減なものだなあ…

ええっ?これなの?????

今日書くことは、私が自分の感覚を疑ってるという話です。なんか宣伝用映像とか音源とかがあるとする。そういうのは、やっぱそれ見て/聴いて、チケットを買いたくなるとか、CDやらDVDやらを買いたくなるようにさせることが目的であろうと思うので、ってそん…

グレの歌聴き直し

サロネンのを聴き直してみたけど、やっぱりこっちは次元つーか空間つーかがしっくり来る。毎度言ってるけど、これなんだろ。一致しているかズレているかどっちかで、あんまり連続的ではないんだよなー。なんだこれは一体。ヤンソンスのはソリストがいいんだ…

ちょっと、しょんぼり

しょんぼりというか・・・・置いていかれた感?先週は生オペラ各種を3回観たわけで、なんだか私って都会人みたいじゃーん、と思ってみたりする次第である*1。でもでも、結局3回ともなんかよく味わえなかった気がする。磨り合わせが出来ないというか。そんな…

イゾルデの愛の死・ファーストインプレッション

もっとずっとずっと前に感じていたことですが、いつでも書けるつもりで後回しにしていたら、そしてトリイゾ全曲を聴いたら急速に当初の印象が薄れてきちゃったので、あわててまとめておきます。つーか、これをアウトプットしておかないと安心して世界に浸れ…

今年のバイロイト雑感

先日のコメントがきっかけで、ちょうどワルキューレの再放送があったので一幕だけ聴いてみました。ボータは全然よいではないですか。今年に入って変なコダワリが出来てしまって以来このジャンルはどれを聴いても*1野太いか甲高いかのどっちかに感じてしまっ…

いろいろ分かってきたけどよく分かんなくなってきた

それなりに評判がいい筈の、割とまあ誰もが誉めるような音源聴いてて、うーん、うまいんだけどさっぱりピンと来ないなあ・・・?と思ってしまって、その後で、同じ演目のDKT音源聴いたらいきなり引き込まれて面白くて、一体なんなんだと思ってしまった。おか…

京響定期レポ7月

聴いてから1ヶ月近く経過してしまった京響の定期7月分の記録です。これから書くことはなんだかトンデモな気がして、長いこと書くのを放置してました。この日記のテーマは曲や演奏のことではなくて、音楽体験に対する自分の感覚に自覚的になることです。だか…

なんで私はヘンなものが好きなんだろう

昨日思い出して発掘したDKT音源の大審問官とフィリッポのシーンをヘビロテしてしまった。やばいわ、これは絶対やばい。話曲がりまくっとる!けしからん!あんな色気のある大審問官がいてたまるか。なんちゅうところになんちゅうものを投入して来るんだ。しか…

自分が何に満足するか分からない

世間で評判がいいものでもさっぱり入って来ないことがある。それはもう、申し訳ないほどに入って来ない。特に何処が悪いというわけじゃない。むしろ欠点の無いタイプの演奏の方が入れなくて、早く終わらないかなーなんて思ってしまったりする。最初の頃は鑑…

ショル爺とブーレーズ

なんかうまいオチが見つからないなーとか、結局何が言いたいんだろうとか思って、文章を書き終えることが出来なくて、そのうち書こうとか思ったりして、見聞きしたものをしばらく寝かせておくと、なんだか永久お蔵入りというか、書けなくなっちゃうことに気…

あのスカラ座の音をもう一度

ついでトークですが、いまさらながら9月の音を思い出したりして、ほーっとなったりしてます。あの頃よりもオケの理解がちょっと進んだのかな。'09/03月のDKTの音を数ヶ月後に再発見して何ヶ月も浸りまくった経験がかなり効いてる気がします。いま、なんか音…

カメラについて考えてみた。

今日は珍しく聴覚じゃなくて視覚の方の感覚の話です。先日エクサン・プロヴァンスの黄昏を見たときの変な感じと、最近のHD映像を見てなんとなく感じていたこ違和感と、昨日METのフィデリオのカメラを見た経験から考えてみました。まあ一言で言うと、最近のHD…

二大苦手巨匠

私にとって二大苦手メジャー作曲家といえば、モーツァルトとベートーベンです。ところで昨日原始的な音楽と社会的な音楽というキーワードを思いついて、それぞれの苦手さのタイプが異なることに思い当たりました。モーツァルトは社会的に苦手で、ベートーベ…

ストーリー性のない音楽、原始的な揺さぶり

Madokakipさんとこのblogで、ブーレーズ指揮CSOのレポートがあり、それに刺激されて、この辺で書いてた「高揚」を、もうちょっと言語化してみました。 http://d.hatena.ne.jp/starboard/20100127 http://d.hatena.ne.jp/starboard/20100124 http://blog.goo.…