ネットで聴ける音源紹介/Die schöne Magelone
今日はネットで聴ける音源をひとつ紹介します。実は既に過去スケジュールのところからリンクしてあったのですが、気付いた方はいたでしょうか。
http://www.dr.dk/P2/P2+Koncerten/Koncerter/2008-01/04/stigfogh.htm
Aalborg Operafestival 2008
28. marts 2008 kl. 19:00 pa P2
このページの中ほどにあるスピーカーマークの隣の"Die schöne Magelone"をクリックしてください。
2008年3月にデンマークのオールボーで行われたオペラフェスティバル*1からの音源です。
内容は、ブラームスの"Die schöne Magelone, Op. 33" 日本語で言うと「美しきマゲローネ*2」です。この曲は最近だとトレーケルさんのアルバムなどもあるので、このblogの読者的にはご存知の方も多いのではないでしょうか。
ドイツの民衆本(Volksbuch)を元にティークがまとめた物語に、ブラームスが曲を付けたもので、朗読と歌が交互に行われる形式になっています。朗読と歌は別の人が行ったり、さらに女声を入れて演奏されることもあるそうですが、この音源では全て一人で行っているので、1時間13分58秒たっぷりアナセンアワーです。朗読の部分はデンマーク語で、かなりコンパクトにしたものを本人の言葉で語っているらしく、・・・というのはしばしば会場から笑いが起こるし、語りの調子も朗読というよりはよく準備されたアドリブ的で、最初何の知識もなく音だけ聞いていたときにはてっきり普通に曲紹介を交えながら進行しているのだと思い込んでいました。もちろん歌はドイツ語で進行します。
元々はバリトン用に書かれた曲だそうですが、キーを変えているのでしょうか。私はオリジナルで歌われた音源をまだ聴いたことがないので分かりません*3。
ストーリーは民衆本だけあって微笑ましい感じですが、これを文字で読むとそんだけなんですが、なぜか歌になると超ニヤニヤものになるんですよねー。ドジでおっちょこちょいなのに何故か腕っ節だけは強いペーターが、なにかのキャラと被ってます。この曲に関してはとても詳しいページがあって大いに参考にさせて頂いたので、紹介がてらあらすじを引用します。
http://www.ne.jp/asahi/bariton/eishi-kawamura/03_04lec/3magelone.html
http://www.ne.jp/asahi/bariton/eishi-kawamura/03_04lec/4magelone2.html
プロヴァンス伯の息子ペーターがナポリにマゲローナ姫という絶世の美女がいるとの評判を聞き、かの地に赴きました。ナポリ国王が開催した馬上槍試合に、無名の一騎士として出場したペーターは並居る強豪を打ち負かし優勝して名を上げると共に姫の愛をかちえ、二人は人目を忍ぶ仲となります。ペーターは麗わしのマゲローナに愛の証として指輪を贈ります。ある夜二人は駆け落ちをして宮廷を後にし、追手を逃れてほっとしてまどろむ姫の胸元の袱紗につつまれた彼が贈った三つの指輪を猛禽が盗んだ事から波乱万丈の物語が展開されていきます。ペーターが指輪を取り返そうと鳥を追っていった事から、二人は離ればなれになってしまいます。彼は異教徒に囚われ、サルタンに仕える運命になります。一方マゲローナの方は巡礼のたびを続け施療院を建立し、そこで聖女のごとき生活を送ります。その後ペーターは故郷を訪れるべく乗船したところ、災難にあい病人としてマゲローナの働く施療院に辿りつきます。そうして二人は再会し抱擁し合います。
同じく上のページから、おおまかな構成と歌い出しを、音源を聴きながら対照出来るように加工したものです。
- 前口上(省略)
- 第2章 プロヴァンスの伯爵の宮廷に見知らぬ歌びとが来たこと
- Nr.1 Keinen hat es noch gereut
- 第3章 騎士ペーターが両親のもとから旅立ったこと
- Nr.2 Traun ! Bogen und Pfeil
- 第4章 ペーターが美しいマゲローネに会ったこと
- Nr.3 Sind es Schmerzen, sind es freuden
- 第5章 騎士が美しいマゲローネに言伝を送ったこと
- Nr.4 Liebe kam aus fernen Landen
- 第6章 騎士がマゲローネに一つの指輪を贈ったこと
- Nr.5 Willst du des Armen
- 第7章 高貴な騎士が再び美しいマゲローネから便りを受けたこと
- Nr.6 Wie soll ich die Freude
- 第8章 ペーターが美しいマゲローネを訪れたこと
- Nr.7 War es dir, dem diese Lippen
- 第9章 美しいマゲローネのための馬上槍試合
- Nr.8 Wir muessen uns trennen
- 第10章 マゲローネが恋する騎士と共に逃げたこと
- Nr.9 Ruhe, Suessliebchen im Schatten
- 第11章 ペーターが美しいマゲローネと離れ離れになったこと
- Nr.10 So toent dann shaeumene Wellen
- 第12章 美しいマゲローネの嘆き
- Nr.11 Wie schnell verschwindet
- 第13章 異教徒の中のペーター
- Nr.12 Muss es eine Trennung geben
- 第14章 異教徒の娘スリマが騎士を愛したこと
- Nr.13 Geliebter, wo zaudert
- 第15章ペーターが再びキリスト教徒のもとに来たこと
- Nr.14 Wie froh und frisch mein Sinn
- 第18章*4 終章
- Nr.15 Treue Liebe dauert lange
で、感想は?・・・・て、照れて書けません。各自ご想像ください。「にゃーにゃードイツ語*5」がツボだと申しておきましょう。