MetPlayerのドン・カルロ
今日は雨の日曜日でした。こんな日は何をするかというと、そろそろMetPlayerの1ヶ月契約の期限が切れるので期限内に何か聴いてみようと思って、そういえば新年明けて以来ずっとワーグナー(+デンマーク音楽)漬けだったなあと思い返しながら違うものをチョイスしてみました。
- https://www.metoperafamily.org/met_player/catalog/detail.aspx?upc=811357012116
Don Carlo (Dec. 23, 2006)
Levine; Racette, Borodina, Botha, Hvorostovsky, Pape
お久しぶりのドン・カルロでした。この音源は良かったです!オケと合唱はもう一歩って感じなんですが、とにかく歌手陣が揃ってて素晴らしい。
まずボータのカルロが良かった。これがなにより衝撃的で。今だから言えますけど、私イタオペのテノールってまず駄目だったんですよ。特に、オペラファンから高評価を受けるようなタイプの歌唱ほど受け付けなかった*1。秋のスカラ座のときはカルロ君がダメダメだったんで、逆に助かったーと思ったくらい。また話が逸れつつあるな。とにかく、久々に聴いたら、なんか大丈夫になってた。大丈夫どころか実に心地よく聴けてしまった。これはジークフリート・ショックのおかげなんだろうか。アナセン有難う!あなたを生んだお母さんに有難う!*2 それに、このカルロは全然なよなよしてない。艶と強さと愛嬌がある。私の中でボータ株が上がった。
あとボロディナのエボリが好き。ヴェールの歌がちゃんとオリエンタリズムでうねりながらやってくれるのが好き。声が好き。前にボリスのマリーナで聴いたときにも思ったけど、この人の声ははっとするなあ。
ラセットのエリザベッタも、ホロフトスキーのロドリーゴも、完璧な布陣じゃないですか。このメンバーが揃って作り出す熱気みたいなもんが、溜まりません。細かいことを言うといろいろあるのかもしれませんが、イタオペ経験殆どないしどうせ鑑賞眼ないし、でもそういう人間でも感じ取れる熱気がいいです。
え?パーペ?聞くまでもないじゃないですか。パペフィリッポのライブ録音ってあるけど一部しか聴いたことなかったので、全幕を聴いたのは9月以来になるのですが、あのときよりもリート色が薄まってて勢いがある感じ。これはこれでなかなか。
ついでなので言及すると、MetPlayerいいですね。アナセン+イーグレンコンビの2音源はもちろんお薦めなのだが、ジークフリートは3幕のパワーが素晴らしいし、イーグレンは私がこれまで聴いた中で一番好きなブリュンヒルデだし、黄昏についてはそのうち書くけど、息も止まるような事件が起こっているのに感動的だし、しかもこんな事件が起こってるにも関わらずこの音源がチョイスされて問題の部分にFeaturedマーク付けられまくりだし・・・・趣味いいのか悪いのか。あ、また書き過ぎた。興味を持った方は聴いてみてね。
MetPlayerは映像無し音源の方が断然いいですね。映像は録ったもん全部って感じなので当たり外れ混じってるけど、音源はベスト公演のチョイスになってるので、これを聴かない手はないと思う。音だけならマシンスペックも対して要らないし。