あなたがコペンハーゲン・リングを見るべき10の理由/新国「神々の黄昏」テオリン人気に便乗企画
「ダーニッシュ・オペラを日本に広める会」勝手に会員番号No.1の右舷日記です。新国の黄昏のテオリンの評判が良好なようで、なによりです。そこで、starboardは考えた。今こそ日本でコペンハーゲン・リング*1を広める格好のチャンスではないかと!!!
テオリンは録音も少ないしね。まずキーワードをフルで書いておこう。2010年の新国立劇場の「神々の黄昏」を観てイレーネ・テオリンが気に入った方は、是非読んでください。 Irene Theorin! Gotterdammerung! Iréne Theorin! Götterdämmerung! イレーネ・テオリン!ワーグナー!ニーベルングの指輪!WAGNER: Der Ring des Nibelungen! Ring of the Nibelung! これで検索で上位ヒットする筈。はてなダイアリはSEO対策もバッチリで安心。さて準備は整った。では10の理由行ってみよう。
理由その2
そもそもテオリンの正規盤は、バイロイトのトリイゾとコペンハーゲン・リングしか存在しない(amazon.com調べ)*2。前者はあまり評判が良くなく、後者はたいへん評判がよろしいようですよ。
理由その3
テオリンのビジュアルが良く撮れている。メイクや服装の趣味なども日本人の好みに合う綺麗め大人しめふっくら柔らかめ路線である。ポートレイト写真は日本人的にはたぶんキツいよね。
理由その4
90年代以降で一番エポック・メイキングなリングである。上演当時に賛否両論で一大論争を巻き起こし、リングの全曲録音で一家言ある Decca が重い腰を上げてやっとリリースした初の映像版である。ワグネリアンならマストである。
ところで、賛否両論つーけど、私はこれ観て悪く言ってる人を知らない(英語情報の範囲内では)。演出コンセプト聞いて拒否反応を示している人と、予告映像だけ見て違うと言ってる人がいるだけである。予告映像(コンセプトの説明にもなっている)はこちら。
理由その5
あのプラシド・ドミンゴが評判を聞き映像を見て、是非出演したいとオファーして一夜だけの共演が実現したそうである。これで権威に弱いあなたもノックアウト。
理由その6
キュートでラブリーでハート・ウォーミングで熱血純愛でリアリズムで、愛と夢と冒険の甘酸っぱいリングである*3。どんだけー!この辺は私ではなくオペラ対訳プロジェクトでご活躍中のwagnerianchanさんのサイトを参照してください。一応このBlogにもコペハンリングの紹介コーナーがありますが、ちょっと目の付けどころが素直じゃないから。
理由その7
はちゃめちゃなコンセプトと緻密な考証が両立している。中高生の頃から学園祭で 12-14歳の時点で既にリングの人形劇を自分で考案して上演していたという新進気鋭の演出家ホルテン*4が作り出す舞台は、長年の好事家なら一家言あるリングの謎をきちんとフォローしている。
理由その8
音楽の読み込みと、演出のコラボレーションがすごい。新感覚のオペラである。これは是非体験してください。
理由その9
歌手と演奏のレベルが総合的に高い。録音として考えても安心して聴ける。特にオケの寄り添い感がすごい。もっとありがちな言い方をすると、歌手と演奏と演出の息がぴったり合っている。理由その8と相まって新感覚を作り上げている。
*1:当blogによる勝手な略称=コペハンリング
*2:追記:もう一枚見つけました。L. Nielsen: The Tower of Babel ただ本気で録音無いですね、この方。
*3:でもフルヌードやSM趣味や倒錯趣味も入ってるよ!
*4:このリングはホルテンが30歳から33歳のときの作品である。