京響@円山公園音楽堂
本日は野外の無料コンサートに行ってきました。野外のオープンの会場なので音響的にはあんまりなのですが、残響無しで個々の楽器の音を聴くつもりで聴く分には予想よりも良かったと思います。管系統の音は風に乗って届くような感じでホールとはまた別の風情があっていいんだけど、弦の音は明らかにもの足りないかな?屋外演奏と言えばブラスバンドなイメージですが、なるほど納得ですね。
自由席で出入り自由なので、例のごとく場所によってどう聴こえるのか試しながら聴きましたが、こんなところでも客席後方まで離れると音がまろやかにまとまって聴こえる効果があるのだなあという発見がありました。天井の反射がない空間でどう聴こえるか(そこから逆算して、天井の効果を見積もることが出来る)という観点からは大変貴重な経験だったと言えましょう*1。
んで、ステージの上のみなさんTシャツ姿で演奏する方も聴く方もリラックスした風情。お子さんが声を上げたりといったことも頻発。でもこの状況が思いのほか快適でして、録音が主食で、演奏会の何がイヤだって隣に客がいるのがイヤという吉松センセ発言に激しく共感する私としては、実は私は演奏中の雑音よりも隣の神経質そうな客がイヤなんだと自覚してしまいました。問題発言ですね。
京都市交響楽団 at 円山公園音楽堂
2010年6月6日(日)3:00pm 円山公園音楽堂
京都市交響楽団、広上淳一(常任指揮者)
バーンスタイン:「キャンディード」序曲
アンダーソン:舞踏会の美女
アンダーソン:シンコペーティッド・クロック
アンダーソン:タイプライター
アンダーソン:トランペット吹きの休日
ハイマン:ポップスホウダウン
J.シュトラウス2世:美しく青きドナウ
J.シュトラウス2世:雷鳴と電光
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」凱旋行進曲
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
アンコール:宇宙戦艦ヤマト
んで、他のプログラムもなかなか良かったんだけど、印象に残ったところとしては、やはりおっちゃんのワーグナーは良かった。もちろんこういう趣旨の演奏会だからそれなりですよ。でもそんなことより重要なのは、薄皮に包まれたようなまろやかなまとまりがちゃんとあるんですよ。普通演奏に対して薄皮に包まれたようなって褒めてないですね。でも褒めてます。いつも微妙な表現ばっかしててすんません。私が思うに、ワーグナーの音が重なるところって、こう、ほのかな音が溶け合って薄皮に包まれたようなまとまり、サンショウウオの卵の薄皮みたいなニュアンスが欲しいんです。あ、その手の両生類苦手な方すいませんね。そういうわけで今日聴いていてはっきり自覚してしまいました。先日の新国でワーグナーを聴いてる感じがしなかったってのは、この感じがまるでなかったんですよ。漠然と求めていたものをこういうきっかけで言語化して顕在化させてしまったので、ワーグナー演奏に関しては、以後サンショウウオの卵を求めてしまいそうです。