DKTチケット騒動顛末記(2)

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  • さてDKTと私の大ボケかまし合戦と化したDKTチケット騒動ですが、一般発売開始日から約一日半経過した本日0時前(現地時間17時)頃からオンライン販売が復帰しています。
  • DKTのサイトの右上にある"Login"をクリックして出てくる左の方の"Køb billet"を押すとオンライン販売画面に入れますので、興味のある方はどうぞ。最初に出てくる"Vælg forestilling"で演目のタイトルの頭文字を選択する仕組みになっています。分かりにくいのはここくらいで、後は読めなくてもなんとなく分かると思います。日付選択の後に出てくる選択肢のところは下の"Jeg ønsker selv at vælge sektion og plads"を選んでみてください。ここで見れるオペラハウス内部の写真がなかなかリアルで体験してみると面白いかと。初回アクセス時はプラグインの読み込みにちょっと時間がかかるかもしれません。
  • さて今日はサブスクライブの説明と成り行きと、チケット売れ行きの観察結果を書きます。
  • まずサブスクライブにはいわゆる普通のパッケージプラン38種の他に、自分で6つの演目を指定出来る6 valgfri (6 optional)というプランがありまして、これは去年から導入されて大人気だそうで、私が申し込んだのもこれです。これのいいところは、オペラとバレエと芝居とコンサートのランクをバラバラに選べることで*1、つまりオペラはS席、バレエと芝居はD席、コンサートはB席なんて組み合わせが可能なんですね。必ずしも6演目制覇出来ない旅行者にとっても、捨て演目*2の出費を抑えられるという有難い制度となっております。
  • で、この6オプショナルプラン、デフォルトでは曜日を第二希望まで記入してその曜日で適当にバラけた日程が当たるんですけども、その直後に交換期間がありまして、該当ランクの空席があれば割り当てられたスケジュールを変更出来るんですね。公演の組合せとランクをフレキシブルに選べるうえに日程まで自由に設定出来るのであれば、それは果たして従来的な意味のサブスクライブプランと呼んでいいのか謎でありますが、そういうことになってます。そもそもサブスクライブのチケットは公演の2週間前までなら交換可能なんですが、そちらは有料になるのに対して、割当直後の交換期間は無料なうえに本来のスケジュールならチケット発売の前に行われるわけですから、よっぽどの人気演目を除いて交換し放題という、そういう制度です。
  • ついでに私思うんですけど、今回バックオフィスはやたらと数の多い6オプショナルプランのサブスクライバーに対して、希望の曜日に合わせて劇場単位で毎回固定した座席を割り当てるために大変苦労しているらしいんですが、ここまでかけ離れた制度になっているなら、いっそ座席固定制も止めてしまえばいいのではないかと思います。そこまで行くとサブスクライブの名残が全くないので死守しているのでありましょうか。当のサブスクライバー達は意に介してないと思うんですけど。私なんか音響比較目的で積極的に変えたいし。せめて申込フォームで固定シートを希望するか否か聞いてみたら、後の事務が大分楽になるのではないでしょうか。
  • ついでその2ですけど、今回DKTのオンライン販売システムの推移を見てて思ったんですが、客に見えるところであの調子ですから、裏方用のサブスクライバー管理プログラムとか座席割当の最適解を出すプログラムとか、無いか、あってもボロボロですよね、きっと。ああデンマーク語が堪能なら売り込みに行っちゃうのになあ。
  • 本題に戻って、そういうわけで交換期間を保証するためにはチケット販売開始前にサブスクライバー向けの座席割当を出して交換期間を終了していないといけなかったわけですが、結局間に合わなくて延期したDKTは何をやったかというと、交換対象シートを確保するために、チケットの販売開始日には、座席のちょうど半分、下手(stage right)半分だけ売りに出すという手段に出たんですねー。あはははは。笑えるでしょ。
  • というわけで、8月に延期されたという6オプショナルプランのサブスクライバー向けの交換期間が終わった暁には、結構な量の空席が再放出されると予想されます。
  • 今の時点でプレミエ公演なんかだと1階席、2階席は殆ど売り切れてたりするんで、事情を知らない人はびっくりするでしょうが、半分しか売りに出ていないだけで後で再放出があるのです。でもこの情報が必要な人に伝わっていなくて、結果行きそびれる人も出たりするのではないかと、ちょっと気の毒な気もします。
  • しかも一般販売もシステムダウンとかしててグダグダですしね。いやー。たいへんですね。これ趣味だから私は面白がっていられるけど、生活しててこの調子でやられた日には大変だろうなあ。しかしサブスクライブはしておいて良かったです。予想してたよりチケット無駄にせずに済みそうだし、してなくて事情も知らなかったら一般発売で慌ててたところです。
  • 結局決済完了しなくてもチケットが確保される問題は解決しているのだろうか。さすがにもう1回テストする気はないです。テストするたびにチケット無駄に確保されちゃうし。
  • 気になるチケットの売れ残り具合ですが、まず1階席、2階席のランクの高い席から売れていきますね。ランクの低い席は残ってます。日本とは逆です。デンマークの物価であの価格だったらチケット安いから当然だと思います。S席で日本円換算1.5万円くらいで、デンマークは物価2倍ですから、実質7〜8千円の感覚だと思います。
  • しかし何故かトリイゾはあまり売れていなくて、やっぱりデンマークでは新演出しないと客が来ないのかもしれません。まだ一般発売始まったばかりだからこの後どうなるか分かりませんけど。
  • それから、オンライン販売の座席選択画面で見れる写真を見るに、デンマーク王室ボックスのあるサイドバルコニーのステージ寄りは視覚的にすごくいいですね。迫力があって、見切れも無いです。新劇場では2階1列目は全部S席なんですけど、この価格はたしかに納得出来ます。私最初は全くこの場所をとる気なかったんですけど、写真見てついつられて、王室ボックスの後方をとってしまいました。2列目しか空いてなかったんですけど、それでも。2階だったらセンターよりもサイドを選びたくなるような雰囲気なんですよ。この劇場の設計は面白いです。現地で見るのが楽しみです。
  • もうひとつ、そのオンライン販売の座席選択画面のせいでたぶん1列目であろう場所を8列目と誤解した件について。だって座席選択画面の画がどう見てもそう見える画だったうえに、予め座席表見てたんですけど、オケピットも座席にするコンサート配列で25列、オケピット確保すると18列、しかも最後の2列は座席数が殆どないから実質23列 or 16列なんですよ!16列なんて、まさかそんなに小さいと思わないから、23列がオペラ配置で、コンサートだともっと増えるのかなって思うじゃないですか。
  • 実は左右も殆ど30席未満という小さなサイズです。チケットの売れ行きは悪くないから新劇場を作るときにもっと座席数を確保してもよかったところですが、音響的に最適な範囲ということで、このサイズにしたそうです。1階のサイドとかやたら広いスペースになってて被り席が無くて、しかも客席数に対してバックヤード空間がやたら広くて贅沢な設備になってて、イマドキの建築方針と思えません。その心意気や良し!やっぱりパフォーマンス優先、音響優先だよね!
  • などと好き勝手なことをほざいておりますが、そりゃあ経理部門はキリキリでしょうとも。売れないんだったらともかく、売れるんなら座席数を増やして金銭的な余裕を持ちたいところですよねえ。そんな時代の風潮に反するDKTが好きだ!たとえ実務能力がグダグダでも!

いいオチがついたところで、この辺にて。

*1:さらに言うと、オペラでも指定した演目が旧劇場と新劇場にまたがっている場合は、それぞれ劇場単位でランクを選べる。コンサートもDRホールと新劇場でやるものがあるので、それぞれ異なるランクを指定することが出来る。

*2:ごめんなさい。