びわ湖トリイゾ録画鑑賞記

紅白代わりに、録画しておいたびわ湖ホールのトリイゾを鑑賞しはじめました。一体それのどこが紅白かというと、やっぱ年末はドメスで締めようという気分がですかね。

オケは録音の方がマシな気がします。録音技術のなせる技ですかね。冒頭の水夫の歌にずっこけたり*1、歌がはじまってしばらくは「ああっ!やっぱDKT歌手は全員(DKT内では相対的にない人であっても)ニュアンスがあったのだなあ・・・・」と懐かしんだりしてましたが、慣れたらそこそこ楽しんで観れました。

小山さんの声の響きは心地良いですね。日本人歌手はやっぱ「そわそわイゾルデ」への近道な気がする。あとは思い切って「怒り」を表現しようとするのを止めてもらえれば。などとまた勝手なことを言う。

ピアース氏は、なんか評判悪いらしいのですが、どうせ弱いとか言われてんだろうけど、私はこの人の個性は結構好きだな。しばし音を外すとこがあるけど、2幕が顕著だったけど、もっと外しっ放しの人、有名歌手でなんぼでもいるしな。それにアップで見ると可愛いじゃん。じゃなくて、このキャストの中ではニュアンスがあると思うからである。「歌ってる」のその先に行けそうな気がする。と思って観てたら3幕の後半で声が辛くなった。これがダメなのか。やっぱ声で聴く派の人達とは深い断絶を感じるなあ。

でもDKTのあの体験の後では大抵の人に拒否反応出るかと思ってたから、実はもうこの演目は(不満を覚悟せずには)観れないんじゃないかと思ってたから、拒否反応出なかっただけでもヨシとしよう。

あとは、実演では気がつかなかったところというと、アップで見るとクルヴェナールの人が頭脳派みたいなのが面白かった。見た目も振舞いも。最近見たクルナヴェールは超武道派だったもんで。同じ時間歌ってんのに、あっちは無口そうで、こっちは饒舌そう。

演出は、DKTの説得力を見ちゃった後だと仕方無いけど、一幕で二人の結びつきが説明出来ていないので、二幕の二重唱があまりにも唐突過ぎる印象になる。しかしあんなバックストーリーが伝えられるのは特殊だから、トリイゾの平均的な上演としてはこういうもんなんだろなあ・・・・いや、やっぱ一幕の演技付け次第かな。

愛の死でイゾルデがニコニコしてんのは新鮮だけど、「彼が やさしく ほほえみ」を歌った後で、ゆっくり夢見るように思い出す視線になって、そしてニコっとして欲しかった。つーかDKT歌手ならそう。いえ、そうでないとNGだってんじゃなくて、私の思いつきメモです。DKT鑑賞直後だったので、それと比べてばっかで申し訳なし。

うわあ。カーテンコールで思ったけど、たしかに日本のこれって海外にはないタイプの「雄叫び」が飛ぶなあ。これは、(こういうのに慣れてない外国人の)女性歌手とかにこわいと言われても仕方無い気がする。中国にもないよ、こういうのは*2。DKTはこういうときは口笛だしなあ。

というわけで、ドメスを楽しむ年越し模様をお伝えしました。みなさまよいお年をお迎えください。

*1:おかしいな。これ会場で聴いたときはそんな不満なかった筈なのに。その後の経験に影響されたと思われます。

*2:中国だと「好(ハオ)」の掛け声が可愛いのだった。