京響定期8月/情景を描く3曲
あー面白かった。8月の選曲は、情景を描くがコンセプトでしたねえ。特に私的には2曲目のレスピーギ:ローマの祭りがヒットでして、まるで情景を描いた無声映画を観ているかのように、次々に目の前に光景が展開されて流れ去って行ったのです。音楽を聴いて無声映画ってのも変な話ですが、音楽を聴いて浮かぶ情景には、聴覚の描けた映像のようなアンバランスさがあって、それは本物とは違うのだけど、ある意味全てが揃った本物を前にしているよりも、欠けているがゆえに想像力を掻き立てるような、そんな誘いに満ちているのです。
http://www.kyoto-symphony.jp/concert/detail.php?id=87&y=2011&m=8
京都市交響楽団第549回定期演奏会
日時:2011年8月5日(金)7:00 pm 開演
会場名:京都コンサートホール・大ホール
出演者:広上 淳一(常任指揮者)
上村 昇(チェロ/京響ソロ首席チェロ奏者)
店村 眞積(ヴィオラ)
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」op.92
レスピーギ:交響詩「ローマの祭り」
R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」op.35
この日、1曲目の1音目から、いつもと違う感じがあって、おっちゃんなのにあの音の入れ方をしないんだーと思って聴き始めて、芳醇な香りに酔いそうになる音のオンパレードみたいな、あの感じと違ってて、なんだか最初の曲は、いつもと違う感じに面食らったまま終わってしまった。でも今日の意図は無声映画のような2曲目で明らかになった。後半のドン・キホーテは、もちろん色んな発見に満ちていたんだけど、ちょっと長い?間延びしちゃったかな?曲自体が持つ性質ゆえだと思うけど。各楽器にそれぞれの役割があって、ソロはチェロがドン・キホーテで、ヴィオラがサンチョ・ポンチョ。ヴィオラが、うまいんだけど優雅に寄り過ぎちゃったような気がした。でもトータルとしては、たいへん楽しめた演奏でした。