マダム・バラフライ@プッチーニ・フェスティバル2004

先日の並河さんの蝶々さんを聴いて以来、なにかどうしても通して観たくなっていたので、図書館からDVDを借りて観た。というわけで選択基準はたまたま図書館にあっただけ。後で、あれ?この人見たことあるような・・・と思ったときの自分用メモなので、適当かつ愛が無くてすんません。と先に謝っておきます。

で、まあまあ面白かった。いつも変なものに馴染んでるもんで、はじめの頃は特に密度がスカスカなのが気になったけど、観てるうちに慣れた。蝶々さんはまあ満足。ピンカートンは不満だが、大体私は世のテノール9割 9割8分に不満なので、こんなもんかと思う。スズキはあんま印象に残ってないが、気になるとこが無かったってことは良かった方なのか。シャープレスはたまに心地良い音が入って、お?とか思うのだが、重唱とかオケと重なるところで張り上げというか1本調子というかになってしまうのがなあ。後は、特に言及したいこと無しだなあ。

終わった後で思うに、さらっと終わってしまったというか、なんだか最後のピンカートンのアリアなんて、印象に全く残ってなくて、いよいよ蝶々さんが死ぬところまできて、あれ?この幕ってピンカートンのアリアあるんじゃなかったっけ?みたいな。ただ、通して引っ掛かったところが無かったということで、演奏としてはいいんじゃないかな。

昆虫をデザインしたという衣装は良かったと思う。ヘタにリアリズムのつもりで日本の衣装を作られると日本人としては違和感あるからね。ボリュームのある衣装は舞台映えしそう。幼虫はいつ成虫になるのだろうと待ち構えていたのにならなかった。演出は、衣装と歌手任せで芸のない感じだけど、これでいいと思う。指揮は、記憶にあるよりもずっと良かった。

蝶々さんは、DKT、ROHと観て、1回日本語字幕で観たくなって今回手を出してみたけど、私にとってはDKTが断トツ良くて、これは今でも思い出すと胸に灯が点る感じで大切な思い出で、ROHのはオペラ体験ワースト1, 2を争う出来だった。個々の歌手も総合としても。このDVDは中の中かなあ。実演鑑賞はどっちもレポを書く気はあったのだが、時間が経ち過ぎた。出演者とかスタッフだけでもメモっといた方がいいのかなあ。メモっておかないと誰を聴いたか分かんなくなっちゃうんだよね。

それにしても、並河さんの蝶々さんはやっぱり全幕聴いてみたいなあ。あの真っ直ぐで明るい個性がどうハマるか聴きたい。公演をやった劇場に行けばライブラリで観れたりしないかな。

最後にリンクを貼ろうとamazonの日本語のレビューを読んだら酷評過ぎて笑えた。これでビジュアルがNGなら、そりゃDKTとか絶対無理だよね。まあ私は感覚が異常だからいいけどさ。自分で選んで観てる舞台とDVDは偏りありまくりだから除くとして、日本でTV放送してるオペラ公演映像と比べて特に悪いとは思わんけどな。


 ダニエラ・デッシー蝶々夫人
 ファビオ・アルミリアート(ピンカートン)
 ファン・ポンス(シャープレス)
 ロッサーナ・リナルディ(スズキ)、他
 チッタ・リリカ管弦楽団&合唱団
 プラシド・ドミンゴ(指揮)
 演出:ステファノ・モンティ
 舞台美術:アルナルド・ポモドーロ
 衣裳:メゾン・ガッティノーニ
 2004年5月 トッレ・デル・ラーゴにおけるライヴ収録