デンマーク流ベッリーニを聴いてみませんか?

最近夢中になっている音源の紹介です。これ本当に好き。詳しいことはよく分からないんだけど、2001年の公演のラジオ放送音源で、インガ・ニールセンとボンデ=ハンセンのソプラノコンビが最高です。演奏も合唱も繊細なニュアンスに満ちていて、時間が経つのを忘れて夢中で聴いてしまいます。あと、個人的にポイント高いのが、フラーヴィオを(すだれ)クリステンセンが歌っていて*1、彼の声は本当に本当に大好き。声質だけで一番好きな歌手ってこの人だと思う。クリステンセンがポリオーネを歌えば良かったのに(暴言)。完璧な公演ってないもんで、この音源、ポリオーネが調子外れなのが惜しい。勢いはいいものを持ってるんだけど。このポリオーネはたぶんゲスト歌手。芸風が全然違うし、デンマークはこの辺のイタオペのテノールが弱いところで、この分野って大抵ゲスト歌手なんです。

インガ・ニールセンはテクニックも透明感も素晴らしいんだけど、なによりも好きなのは、まさにデンマーク的な、繊細な繊細な、そして絶妙な"抜き"のセンス。デンマークの声楽の何が一番好きって、この要素なんですよー。中低音の一部に、おきゃんな女の子のような、聞きようによっては蓮っ葉な女にも聞こえるような、ちょっとした雑味が入るのも、完璧な声よりも人間らしくて好きです。これがあるから取り乱す場面などで白々しくならず、生きた人間を感じることが出来る気がします。

サンプル音源を2つ付けときます。Casta Diva が変なところで切れてるのは、元ファイルがそこで切れてて、つなぐのが面倒だからです。続きが聴きたい人は全幕音源をどうぞ。

序曲 Download
Casta Diva Download
全幕 Download


追記:キャスト分かりました。チボリ公園でのコンサートシリーズの音源でした。

Norma: Inga Nielsen, Pollione: Francisco Araiza, Adalgisa: Henriette Bonde-Hansen, Orveso: Christian Christiansen, Clotilde: Turi Olin Grimstad, Flavio: Michael Kristensen
Chorus and Orchestra of the Danish Radio, Gustav Kuhn
13 Oct 2001, Tivoli Hall

*1:クレジットないので確実じゃないんだけど、この声は彼です。