そんなこんなでDKTローエングリン

いままた思い出して聴いてるのが、DKTの2007年の公演のラジオ放送音源です。

エルザの夢 Download
白鳥の騎士登場 Download
全幕はこちら

インガ・ニールセンのエルザは、こうやって取り出して聴くとそんなでもないかもしれないけど、全幕の一部として聴くと、一声発したときのインパクトがすごいです。エルザが登場したときに合唱が驚いて、テルラムントに「あなたの訴えは本気なのか?」と問うわけですが、そのト書き部分を声で語っちゃってます。

アナセンのローエングリンは、相変わらず少年ぽい。何故かハイティーンではなくローティーンになってしまうところが、なんともアナセンです。ハインリヒ王に呼びかけるところなんて、くるくるしてるし。実際に、音自体が、音の発生源が舞台上をくるくる駆け回ってるような音になってるんですよね。この人の声は体のポジションによってすごく変わるので、録音聴いてるとアナセン一人だけがくるくる動いてるのかと錯覚してしまうことしばし。しかし映像を見ると、他のキャラクターも同じくらい動いている(彼らは動いても音が変わってない)ことが分かって吃驚したりします。

興味を持たれたら全幕聴いてみてくださいね。通して聴いた方がインパクト強いと思うので。デンマークの芸風は、アリアを取り出して聴き比べとかしたときに映えるような種類の演奏じゃなくて*1、ドラマの一環として聴くと面白い種類の演奏なので、通して聴いた方が効果的です。

ところで今気になってるのは、弟君の心境だったりします。彼は声を発さないのでヒントすらないんですけど、ローエングリンが白鳥に話しかけているときに想像したりします。ここは実演を見て鑑賞のポイントが変わったとこです。

*1:オペラの世界はそこで判断されてしまうので、とっても歯痒い。